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 平成21年第2回定例会 【意見書・決議】

医師臨床研修制度の見直し(案)に対する意見書

(21年5月29日提出)

 この度,厚生労働省が概要をまとめた2010年度から適用される医師臨床研修制度の見直し(案)は,見直しのポイントとして,研修プログラムの弾力化,臨床研修病院指定基準の強化,都道府県別募集定員の上限の考え方などが盛り込まれたものとなっており,従来の教育・研修制度から大きく踏み込んだ内容となっている。
 特に,研修医募集定員の都道府県別の上限については,厚生労働省が示した計算式を京都府に当てはめると84人減となり,削減率が30パーセントと全国で最も厳しい数字となる。当面,激変緩和措置による10パーセント減であっても27人削減しなければならず,臨床研修病院となっている病院にとっても非常に大きな影響を受けることになる。
 京都大学や京都府立医科大学において基礎研究で貢献する医師や,他府県で活躍する医師を送り出している実情が考慮されず,都道府県単位で一律の基準を当てはめ,大幅な研修医の募集定員の削減がなされることについては,地域医療の弱体化につながるものと憂慮する。
 さらには,臨床研修病院の指定基準の見直しについても,必要症例数の大幅な引上げ,指導体制の強化などから,臨床研修病院になるための基準をクリアできる病院が減少することは間違いなく,地域医療を担う病院での臨床研修の機会を奪うこととなり,看過することができないものである。
 よって国におかれては,募集定員の算定及び指定基準の見直しに当たっては,以下の事項についても検討されたい。
 広域に医師を派遣している国立大学や地域の医師確保に貢献している公立医科大学などの医師派遣加算については,派遣実績(他府県を含む。)分を募集定員数の純増とすること。
 臨床研修病院となっている病院の定員の削減は行わないこと。
 近畿圏等のブロック単位で募集定員上限枠を設定すること。
 全国を単位として実施されているマッチングについても,研修医の適正な配置に資するよう,ブロックごとのマッチングを含め,在り方を見直すこと。
 臨床研修病院の指定基準については,臨床研修を行うために必要な症例数を現状どおりとし,指導体制についても義務規定としないこと。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


北朝鮮によるミサイル発射及び核実験の強行に対し断固たる措置を求める意見書

(21年5月29日提出)

 北朝鮮は,国際社会の批判にもかかわらず,4月5日にミサイルの発射を強行したのみならず,そのわずか50日後の5月25日に核実験をも実行した。さらには,核実験以降も断続的に合計5発ものミサイル発射を強行した。
 これらの行為は,東アジア,とりわけ我が国の安全保障に対する大きな脅威であり,断じて看過することはできない。
 特に,核実験は,NPT(核拡散防止条約)への重大な挑戦であり,安保理決議にも明確に違反している。また,このような行為に対しては,世界各国からも大きな批判が出ている。
 よって国におかれては,北朝鮮に対して厳重に抗議するとともに,二度とこのような暴挙を行わせないため,現在実施している経済制裁をより強化することはもとより,国際社会とも連携して積極的な外交を推進し,断固たる措置を採るよう強く求める。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,外務大臣,財務大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,内閣府特命担当大臣(金融)


国直轄事業負担金に係る意見書

(21年5月29日提出)

 公共事業に係る国直轄事業の負担金については,従前より地方分権改革推進委員会において廃止,縮減等の抜本的見直しが必要との認識が示されてきた。また,今般の追加経済対策において,地域活性化のための公共事業が盛り込まれるとともに,地方負担を軽減する方策も取られているところである。
 このような経緯等を踏まえ,同委員会は,本年4月に「直轄事業の縮減」,「透明性の確保・充実」,「負担金のあり方の見直し」など負担金に係る基本的な考え方を緊急に取りまとめたところである。
 これを受け,従前より,国直轄事業負担金は,地方の財政運営を制約し,政策実施の自由度を狭めることなどからその廃止を主張してきた全国市長会をはじめとする地方六団体も,改めて,抜本的解決に向けた政府の取組を強く要請したところである。
 よって国におかれては,こうした地方の声に重きを置き,下記の点について,速やかに直轄事業制度の見直しを行われるよう強く要請する。
 これまでの直轄事業に係る内訳明細の開示を行うとともに,負担金の経費内訳とその積算根拠を地方自治体へ情報開示すること。また,国と地方が対等な立場で協議し,地方の意見が反映されるよう,透明性の確保・充実に努めること。
 維持管理費に係る負担金については,維持管理に責任を負う者が負担することが原則であり,早期に廃止すること。
 整備費に係る負担金についても,国と地方の役割分担を明確にして直轄事業の範囲を必要最小限度にするとともに,地方の受益と負担の観点から必要な検討を行い,地方分権の推進に併せて,最終的に国直轄事業負担金については廃止すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,国土交通大臣


ハローワーク機能の抜本的強化を求める意見書

(21年5月29日提出)

 現下の厳しい雇用状況の中で,求職や各種助成金の申請,職業訓練の申込みなどで,地域のハローワークの窓口は,大変な混雑を呈している。地域によっては,窓口で3時間,4時間待ちの状況が生じており,窓口機能が極端に低下している状況が見られる。
 また,休日・夜間の相談を求める声も高くなっており,現状では対応に苦慮している実態も見られる。
 こうした状況に対応するため,今般の「経済危機対策」において,ハローワークの機能強化を図るため,人員・組織体制を抜本的に充実・強化することが決定されている。
 よって国におかれては,下記の点に配慮のうえ,ハローワークの機能強化を図るよう強く要請する。
 ハローワークの職員や,相談員の増員に当たっては,ハローワークの業務の実態に応じて,適切な配分を行うこと。また,雇用調整助成金の窓口相談に当たっては,つなぎ融資の制度などについても適切な情報提供を行うよう努めること。
 地域の実情に応じて,夜間・休日の窓口業務の開庁を行うなど機能強化を図ること。
 ジョブカードの推進に当たる職業訓練情報等連携推進員については,ジョブカフェなどへの重点配分を行い,若者,学生などの就職相談機能を強化すること。
 雇用調整助成金の申請に当たっては,申請手続の簡素化を図るとともに,申請アドバイザーの機能を強化し,必要に応じて社会保険労務士の活用を図るなどきめ細かな体制整備を図ること。
 また,助成金の交付についても,速やかな実施に努めること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


新型インフルエンザ対策に関する意見書

(21年5月29日提出)

 新型インフルエンザの感染者は,5月26日現在において,世界50箇国・地域で1万3,300人を超え,日本国内においても350人を超えている状況にある。
 国においては,国民の「いのち」と「健康」を守るため,感染拡大の防止に向けた対策の強化を図られてきたところである。新規発症者数は減少しつつあるものの,感染拡大の防止は最重要課題であることから,今後とも万全の体制を採られるべきである。
 一方,今回の新型インフルエンザが弱毒性であるとの指摘を受けて,感染拡大の防止の取組に伴う市民生活への影響や経済活動への影響を最小限にとどめることが必要な時期となってきている。とりわけ,観光関連産業への影響として,宿泊施設などでの宿泊予定のキャンセルや延期といった事態が相次ぎ,感染者の発生による風評被害も含めて業界全体が相当の被害を被っている。
 よって国におかれては,新型インフルエンザの感染拡大の防止対策に取り組むとともに,正しい知識及び情報の伝達により,市民生活・経済活動への影響を最小限にとどめるため,下記の事項に取り組まれるよう強く要請する。
 新型インフルエンザの感染拡大の防止対策に取り組むとともに,市民生活・経済活動への影響を最小限にとどめるために,正しい知識及び情報の伝達に努めること。
 観光関連の中小企業者への金融支援措置に関しては,緊急保証対策が打ち出されたところであるが,今後の動向を見据えた一層の金融支援対策を講じること。
 さらに,社会経済活動の制約等に伴い生じる損失への適切な支援として,財政支援や損失補償制度の創設を図ること。
 発熱相談センターや発熱外来において業務に従事する医師,看護師等の職員の確保,マスク等の感染防御装備,薬剤,検査機器等の確保及び発熱外来の開設に必要な財政支援を行うこと。
 ワクチンを迅速に開発・製造するとともに,抗ウイルス薬の備蓄拡充と分配ルートを確立すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣,中小企業庁長官,観光庁長官
 


経済危機対策などに伴う地方負担の軽減を求める意見書

(21年5月29日提出)

 我が国が直面している未曾有の経済危機克服のため,政府において「経済危機対策」の策定を行い,そのための平成21年度補正予算案が5月13日に衆議院を通過し,現在参議院において審議が行われているところである。
 この対策の中では,地方のひっ迫した財政事情を考慮し,地方負担の軽減策などが盛り込まれており,地方における公共投資のための臨時交付金や,温暖化対策,少子高齢社会への対応,安心・安全の実現のための事業を実施する臨時交付金等も盛り込まれている。
 よって国におかれては,こうした平成21年度補正予算案について,地方自治体の財源確保のため,下記の点に十分配慮し,きめ細かな対策を講じるよう強く要請する。
 地域活性化・公共投資臨時交付金(1.4兆円)及び地域活性化・経済危機対策臨時交付金(1兆円),さらには,経済対策関連として地方自治体に配分される15の基金などの運用に当たっては,それぞれの地域の実情や創意工夫に応じて柔軟に対応できるよう配慮すること。
 また,消費生活相談窓口の機能強化を図るため,積み増しが予定されている地方消費者行政活性化基金については,人件費への充当にも柔軟に対応できるようにすること。
 さらに,臨時的に平成21年度から3箇年の財源措置が行われている基金などについて,措置期間経過後の地方負担の在り方について,過重とならないよう十分な検討を行うこと。
 平成21年度まで実施される公債費負担軽減対策の更なる継続,拡充や,地方税の還付加算金の在り方について,急激に悪化している地方税財源の状況を勘案して検討を行うこと。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣


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