(15年5月29日提出)
新型肺炎,SARSがアジアをはじめ世界各国で猛威を振るい,大きな衝撃を与えている。また,SARS感染が確認された台湾人医師が入国し,京都市内を観光していたことは,京都市民に大きな不安を与えた。幸い今回の事案は感染者が出ずに済んだが,SARS対策では,何よりもウイルスの侵入を水際で阻止することが大事であり,侵入後は,二次感染を最小限に食い止めることや,市民への情報公開,プライバシーの保護と正しい予防対策を徹底し,混乱を防止することが重要である。
SARSは,治療方法もいまだに確立されておらず,また,死亡率が極めて高い感染症であり,市民の命を守り,市民の不安を解消するためにも,SARS対策を充実・強化することは喫緊の課題である。
よって国の責任において,下記の措置を早急に講じられるよう,強く要望するものである。
記
1 | 検疫体制の一層の強化を図るとともに,SARSに感染している可能性のある人が,感染地域から入国することのないよう,関係国・地域に対して万全の対策を講じるよう,強く求めること。 |
2 | 事態に応じた必要かつ適切な情報を迅速に提供するとともに,SARSに関する最新情報が得られるシステムを整備すること。 |
3 | 今回の事態で,影響を受けている事業者などに対する支援策を講じること。 |
4 | 防疫,消毒,疫学調査など,SARS対策のために必要な体制整備等に関し,必要な財源措置を講じること。 |
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,外務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣
(15年5月29日提出)
我が国の郵便投票制度は,障害のある方や難病の方々,また寝たきりの高齢者やALS(筋萎縮性側索硬化症)患者などで投票所へ行くことさえ困難な方々にとって,権利行使の手続が煩雑であるうえ,制度上の不備から投票権の行使が困難な状況にある。
平成14年11月28日,在宅療養中のALS患者が「郵便投票において代筆が認められない現行の選挙制度は法の下の平等に反する」として国家賠償等を求めていた訴訟の判決が東京地裁で下された。判決は原告の訴えを退けたものの,その傍論の中で「原告らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは憲法違反と言わざるを得ない」と指摘した。
また,平成15年2月10日,対人恐怖症で投票所に行けない知的障害者の男性が「郵便投票制度を重度身体障害者に限った選挙制度は憲法違反である」として,国家賠償等を求めた訴訟においても,大阪地裁により判決が下され,原告の訴えは退けられたが,判決の傍論において「現行制度は憲法の趣旨に照らして完全ではなく,在宅投票の対象拡大などの方向で改善が図られてしかるべきものである」と制度改善の努力が求められた。
これらの判決に関し,福田官房長官も「投票困難な方々の投票機会を確保することは重要な課題と認識している」と発言している。
よって国におかれては,下記のとおり法整備を含め所要の措置を早急に講じ,もって投票権の行使の障害を一刻も早く取り除くべきである。
記
1 | 障害者や難病者,要介護の高齢者等,郵便投票の対象者の拡大を図ること。 |
2 | ALS患者等,自筆が困難な方々のために代理投票制度の導入等,投票機会の確保を図ること。 |
3 | 現在の郵便投票制度における資格証明や申請手続等の簡素化を図るなど,障害者の方々が容易に投票できるように改善を図ること。 |
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣
(15年5月29日提出)
近年,長引く不況を背景として,ヤミ金融の横行が看過できない社会問題となっている。人の弱みに乗じて,中には年利数千パーセント以上の超高金利による貸付けがなされたり,勤務先や家族への脅迫的な取立てはもとより,子どもが通う学校にまで催促の電話がかけられ,職場からの解雇や離婚,自己破産,行方不明,
更には自殺をも余儀なくされるなど,その深刻な被害の多発化には目に余るものがある。
現行制度の下では,登録さえすれば容易に貸金業を営むことが可能であり,法外な金利や強引な取立てを行う悪徳業者への行政対応も実効を期し難いものとなっており,国による抜本的対策が急務となる。
よって国におかれては,登録要件・審査の見直し,金融取引主任制度(仮称)の導入,夜間・早朝・職場等への取立行為規制の明確化,監督権強化のための業務改善命令規定の新設や罰則強化,苦情相談窓口や監督省庁・関係団体等の体制整備の実施など,新たな立法措置を含めた悪徳ヤミ金融を排除するための措置を速やかに講じるべきである。
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,金融担当大臣,総務大臣
[目次][会期日程][議案審議結果][付帯決議等][意見書・決議][採択請願] |
Copyright(c) Kyoto City Assembly.2001. All rights reserved. |