(14.12.17提出)
10月30日,地方分権改革推進会議から内閣総理大臣に対して,「事務・事業の在り方に関する意見」が提出された。
今回の意見では,国と地方の役割分担に応じた事務及び事業の在り方や国庫補助負担事業の在り方について提言されているが,内閣総理大臣の指示した三位一体(国庫補助負担金,地方交付税,税源移譲)の改革につながる「税源移譲を含む税源配分の在り方」についての視点が全く採り入れられていない。
これでは,国の財政負担軽減策につながるだけで,財源の裏付けのない分権を地方に押し付けることであり,真の「地方分権」からは程遠い内容となっており,誠に遺憾である。
よって国におかれては,国から地方への税源移譲による地方税財源の充実確保については,地方分権の一層の推進のため下記の事項について強く要望する。
記
1 | 国庫補助負担金の見直しに当たっては,地方の自主的な財政運営の確保などの観点から,税源移譲などによる財政措置を講じ,単に地方に財政負担を転嫁するような措置を行わないこと。 |
2 | 義務教育費国庫負担制度の見直しについては,退職手当等義務的な経費について,その具体的な財源の明示もされない部分的な見直しは行わないこと。 |
3 | 道府県と指定都市間の県費負担教職員制度の見直しに当たっては,道府県から指定都市への税源移譲による財源措置が不可欠であり,また学級編成や教職員定数,教職員配置などの包括的な権限移譲を前提として検討すること。 |
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,文部科学大臣
(14.12.17提出)
本年10月の完全失業率が,5.5パーセントと依然として厳しい雇用状況が続いている。中でも近畿では7.2パーセント,京都でも昨年は6.3パーセントという現状である。その中で政府が平成13年度補正予算において計上した「緊急地域雇用創出特別交付金制度」は,総額3,500億円,平成16年度までの予定で実施されているが,平成14年度見込みで約163,000人程度の雇用を生み出すなど,一定の成果を上げているところである。
しかし,政府の総合デフレ対策の一環としての不良債権処理の加速化が企業への貸し渋りや貸しはがしを加速させ,それが失業率の更なる上昇をもたらすという懸念がある。そのため,雇用についての十分なセーフティーネットを確立することが求められている。
よって国におかれては,同制度の改善を図り地域雇用施策の強化を進め,地域の実情に即した下記の雇用対策の実施を図るよう強く要望するものである。
記
1 | 緊急地域雇用創出特別交付金制度を活用するに当たっての要件である6箇月未満の雇用期間,事業に占める人件費割合80パーセント,及び全従業員に占める失業者割合が4分の3以上などを緩和し,地方自治体の活用しやすいものにすること。 |
2 | 緊急地域雇用創出特別交付金制度が継続的な雇用や起業につながるよう,介護や環境等の公的サービスを行う民間の居宅事業者や各種企業や地域ビジネスなどを支援する新しい地域雇用支援制度を創設すること。 |
3 | 「新規・成長分野雇用創出特別奨励金」や「緊急雇用創出特別奨励金」などの助成制度の充実を図ること。 |
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣
子どもたちの健やかな成長のために総合的な子育て支援策を求める意見書
(14.12.17提出)
少子化対策が今日求められているが,単に少子化への歯止めを掛けることだけを目的とするのではなく,すべての子どもたちが「生まれてきてよかった」と心から思える社会,子どもたちの瞳が生き生きと輝く社会を実現する視点が重要である。
また,子育ては,今や地域や社会全体が取り組む課題でもある。我が国の将来を担う子どもたちの健やかな成長のために,社会全体で子育てをサポートする体制を充実することが必要であり,親への財政的支援,地域や社会における子育てのための環境整備,子育て家庭への支援など,総合的に子育て支援策を展開することが望まれている。
よって国におかれては,下記の施策の確立を図るべきである。
記
1 | 子育て中の一定期間,年金保険料を減免するなど,年金資金を活用した子育て支援の充実を図ること。 |
2 | 育児・介護休業制度を利用しやすくするために,育児・介護休業手当の引上げを図るとともに,育児休業等を理由とする不利益取扱い禁止など制度の改善・拡充を図ること。 |
3 | 妊産婦検診への公的助成の拡大及び不妊治療への保険適用・公的支援を図ること。 |
4 | 保育所入所待機児童ゼロを目指して,多様な保育ニーズに対応した保育サービスの充実を図ること。また地域の「子育て拠点」を整備するとともに,関係者間の連携による子育て支援ネットワークを構築して,子育てに悩みや不安を抱く親へのサポート体制を充実させること。 |
5 | 一人親家庭のために,自立のための経済的支援をはじめ,就労支援の充実,養育費の確保,法的整備を含む総合的な相談体制など万全の支援を図ること。 |
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣
(14.12.17提出)
日本経済が混迷を極める中で,中小企業の経営環境は,ますます厳しい状況となっている。市中の金融情勢,中小企業に対する貸し渋り,貸しはがし,保証渋りなど深刻さを極めており,中小企業者にとってはもはや「待ったなし」の状況である。
現在,求められているのは,我が国経済の屋台骨である中小企業への融資を滞らせ,多くの倒産や失業の発生をもたらすことなく不良債権処理やデフレ対策を進めることである。
よって国におかれては,こうした状況にかんがみ,中小企業者に対する金融セーフティネット保証・貸付の拡充や資金調達の多様化及び中小企業に対する税制の改革等を早期に実施するため,下記の施策の確立を図るべきである。
記
1 | 依然として厳しい中小企業の資金繰りに対応するため,金融セーフティネット保証・貸付の拡充を図ること。 |
2 | 売掛債権担保融資制度の普及・定着を図るため,制度に関するPRの強化,当該制度の手続の簡素化などを促進し,その利用拡大を図ること。 |
3 | 現下の厳しい経済状況にかんがみ,外形標準課税の早期導入を行わないこと。 |
4 | 事業継承税制の拡大や同族会社の留保金課税の廃止など中小企業者に対する税制面での支援を図ること。 |
以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(提出先)
衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,経済産業大臣,中小企業庁長官
運動団体支部補助金虚偽報告の徹底解明と同和行政完全終結を求める決議
(14.12.17決議)
京都市会はこれまでも再三再四,同和行政の終結に向けて,運動団体との関係を含め抜本的な改革に取り組むことを強く求めてきた。この結果,交渉や運動団体が行う事業への職免・補助金の廃止,また選考採用,いわゆる「同和雇用」の廃止など,大きく改革が図られてきたところであるが,いまだ一部事業が継続されており,完全終結には至っていない。
今回,運動団体支部に対する補助金について,カラ事業,水増し事業等,多くの虚偽報告が発覚し,事実と大きく異なる事業に補助金が交付されていたことが明らかになった。
既に平成13年度末をもって廃止された事業とはいえ,市民や議会の信頼を大きく損ない,市政全体に及ぼす影響は,計り知れない重大な事態であり,断じて許されるべきことではない。
よって市民の信頼を取り戻すため,今般設置された「京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金の交付に係る調査委員会」においてき然とした姿勢で徹底した事実解明を行い,1日も早い結果の公開と厳正な対処に不退転の決意で取り組むべきである。また同時に継続されている残事業については完全終結すべきである。
以上,決議する。
[目次][会期日程][議案審議結果][付帯決議等][意見書・決議][採択請願] |