定例会・臨時会の結果  平成13年第2回定例会 【意見書・決議】

京都議定書発効のための国際合意の実現に関する意見書

 (13.5.15提出)

 地球温暖化が21世紀における最も深刻な問題となる中で,国際社会は,これまで長きにわたって,気候変動枠組条約の発効とそれに続く京都議定書の採択などを通して,地球温暖化防止のための国際的合意を積み重ねてきた。
 また,京都においては,21世紀の社会に求められる理想の実現に向け,市民が議定書誕生の地であることに大きな誇りを持ち,掛け替えのない地球環境を守るための様々な取組を進めてきたところである。
 この度,世界最大の温室効果ガス排出国である米国が京都議定書からの離脱を表明し,京都議定書を無効とする発言を繰り返していることは,地球環境を保全するための国際的な取組を後退させるものであり,大変遺憾である。
 よって国におかれては,地球温暖化防止京都会議(COP3)の議長国として率先して京都議定書を批准し,地球温暖化防止の国内制度を構築するとともに,京都議定書の2002年発効を目指して,米国をはじめ世界各国に対しても,国際的なリーダーシップを発揮し,7月のCOP6再開会合において国際合意に到達するよう主体性を持って粘り強く働き掛けるべきである。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,外務大臣,経済産業大臣,環境大臣


トラック運送における公正な取引の確立及び排ガス防止に関する意見書

 (13.5.29提出)

 長引く不況の下で,国民生活と日本経済の動脈であるトラック運送における事業経営や労働者の労働条件は重大な事態に直面している。
 その第一は,業界の過当競争によるトラック運送事業者の経営悪化が深刻化していることに起因している。
 第二に,ここ数年続く労働者の賃金低下や労働条件の見直しなど,労働環境の悪化が強まっていることにある。
 また,環境問題におけるディーゼル車の排ガス規制対策も重大な課題となっている。
 よって国におかれては,トラック運送事業者の健全経営を目指し,平成12年2月8日付け「運輸省自動車交通局長依頼」及び同年3月17日付け「近畿運輸局長依頼」を実効あるものにするとともに,下記の事項について十分配慮するよう強く要望する。

 トラック運送事業者と荷主との公正な取引関係の確立及び指導の強化を図ること。
 国と自動車メーカーの責任で低公害車の開発,軽油の良質化を図るとともに,トラック運送事業者へディーゼル車の低公害化に対する適切な助成を実施すること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,環境大臣


ネクタイ輸入急増における緊急の施策を求める意見書

 (13.5.29提出)

 現在,日本のネクタイ業界は,特に中国からのネクタイが完成品として,日本の縫製代にも満たない超低廉価で大量に輸入されており,危機的な状況となっている。
 通関統計によっても絹製ネクタイの輸入に占める中国産ネクタイの割合は毎年増加し,平成12年度では6割を超えている。
 とりわけ,西陣におけるネクタイ生産量は,ピーク時の1970年代に比べ半分に落ち込み,関連業者も倒産や廃業が相次ぎ,最盛期から半減している。4月には西陣最大手のネクタイメーカーが民事再生法の適用を申請するなど事態は深刻である。
 このため,現在,全日本ネクタイ工業連盟がセーフガードの発動を求め,ネクタイ輸入にかかわる実態調査を行っているところである。
 よって国におかれては,産地を守るという視点から,産地の抜本的な構造改善等の支援策を早急に講じるべきである。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,経済産業大臣


目次][会期日程][議案審議結果][付帯決議等][意見書・決議][採択請願