京都市会だより第63号(HTML版)

平成24年(2012年)12月15日発行

京都市会ホームページ
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●編集/市会事務局
●〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る
●TEL.075(222)3697 FAX.075(222)3713

【目次】
○一般会計など22会計 平成23年度決算を認定
○9月市会定例会
○24年度補正予算を修正可決
○8月臨時会
○市会改革の取組
○本会議の代表質問から
○意見書・決議(要旨)
○9月定例会の審議結果
○決算特別委員会の審査
○付帯決議(要旨)
○お伝えします 市会の取組
○親子ふれあい議場見学会を開催
○11月定例会の審議結果等
 
<一般会計など22会計 平成23年度決算を認定
 
○9月市会定例会
 9月定例会は、9月24日から10月26日までの33日間開かれ、市長提出議案55件、議員提出議案12件を審議しました。
 市長提出議案のうち、平成23年度各会計決算及び関連議案24件については、決算特別委員会を設置して付託・審査のうえ、全て認定・可決しました。平成24年度一般会計補正予算など2件についても、予算特別委員会を設置して付託・審査のうえ、平成24年度一般会計補正予算については修正可決、もう1件は原案のとおり可決しました。
 また、廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部改正など、議案27件をそれぞれ担当の常任委員会で審査し、原案のとおり可決しました。
 さらに、人権擁護委員の推薦の議案2件についても、原案のとおり可決しました。
 そのほか、山科区、西京区選挙管理委員及び補充員の選挙などを行うとともに、会議規則の一部改正、B型・C型肝炎ウイルス患者の救済に関する意見書など、11件の議案を原案のとおり可決しました。


9月定例会で審議した主な議案の概要は次のとおりです。
(結果は平成24年第4回定例会 【議案・審議結果】のページを参照)

〔平成23年度決算〕(下記の表も御覧ください。)
◆一般会計  
 歳入総額が7千535億9千4百万円に対し、歳出総額が7千480億1千1百万円となり、歳入歳出差引額は55億8千4百万円の黒字ですが、翌年度へ繰り越すべき財源が41億7千8百万円あるため、実質収支は14億6百万円の黒字となっています。
 人件費の削減などの行財政改革努力の継続、地方交付税の確保に加え、徴収率の向上等による市税収入の増収などから、単年度収支も、6億7千4百万円で3年連続の黒字となりました。

◆水道事業
 総収益は、有収水量の減少に伴う給水収益の減少等で営業収益が減少したことなどにより、285億2千万円(対前年度比2.6%の減)と減少する一方、総費用も、業務費、支払利息及び企業債取扱諸費の減少などにより、278億2千7百万円(対前年度比0.6%の減)と減少しました。この結果、6億9千3百万円と5年連続の黒字決算となりました。

◆高速鉄道事業  
総収益は、駅周辺における大型店舗開業等の効果の通年化などによる旅客数の増加や、「コトチカ四条」及び「コトチカ御池」をはじめとした駅ナカビジネスの拡大などにより、274億1千万円(対前年度比1.9%の増)と増加する一方、総費用は、減価償却費や人件費、支払利息の減少などにより、350億3千7百万円(対前年度比2.6%の減)と減少しました。
 この結果、前年度に比べ改善は見られたものの、76億2千8百万円の赤字となり、累積赤字は3千360億1千5百万円となりました。

〔その他の主な議案〕
◆市税条例の一部改正  
 65歳以上の方で、総所得金額等の合計額が一定の範囲にある高齢者に対する市民税の減免措置を廃止しようとするものです。 なお、この議案については、付帯決議を付しました。(下記参照)


平成23年度一般会計及び特別会計歳入歳出決算
  歳入決算額 歳出決算額 歳入歳出差引額 実質収支額
一般会計 7,535億9,420万円 7,480億1,050万円 55億8,369万円 14億551万円
特別会計 6,137億9,991万円 6,151億28万円 △13億38万円 △13億7,355万円
※ 公営企業会計を除く17会計

平成23年度公営企業会計決算
  総収益 総費用 損益 累積損益
水道事業 285億1,960万円 278億2,701万円 6億9,258万円 56億9,932万円
公共下水道事業 460億6,741万円 424億4,249万円 36億2,492万円 36億2,492万円
自動車運送事業 206億552万円 177億1,269万円 28億9,283万円 △36億4,826万円
高速鉄道事業 276億972万円 350億3,750万円 △76億2,778万円 △3,360億1,482万円

注 文中及び表中の金額は、下位を四捨五入しています。

○24年度補正予算を修正可決
 京都市会では、総額40億6千2百万円の平成24年度9月補正予算について、議員報酬の削減による7千9百万円を、以下のとおり活用することとし、全会一致で修正可決しました。

京町家・木造住宅の耐震改修に係る支援事業の費用を更に2千万円増額!!(5千万円→7千万円)
通学路の安全対策について財源の更生を行い市債を5千9百万円減額!!

○8月臨時会
 8月14日、京都市が関西広域連合に加入したことにより、関西広域連合議会の議員を1名選出することとなりました。
 そこで、8月17日に臨時会を開会し、井上与一郎議員(右京区選出 自民党市議団)を選出しました。
 なお、関西広域連合議会の活動については、 関西広域連合のホームページを御覧ください。 (http://kouiki-kansai.jp/)

○市会改革の取組
◆ 市会の役割、議員の使命、市民との関係などについて定めた「京都市会の基本理念」を取りまとめました。
◆ 議会基本条例の制定についての検討に当たり、市会改革推進委員会において、法政大学の廣瀬克哉教授からお話を伺うとともに、質疑を行いました。
◆ 市会改革推進委員会に議会基本条例検討部会を設置しました。
◆ 議員定数・議員報酬の在り方に関する議論が始まりました。
◆ 議会基本条例について、市民の皆様との意見交換会を実施します。

○本会議の代表質問から
 10月1日・2日の本会議では以下の16人の議員が各会派を代表して、市政の各般にわたって市長や関係理事者に質問を行いました。 本号では、その主なものをお伝えします。

自民党=自由民主党京都市会議員団
共産党=日本共産党京都市会議員団
民主・都=民主・都みらい京都市会議員団
公明党=公明党京都市会議員団
京都党=地域政党京都党京都市会議員団
み・無=みんなの党・無所属の会

井上 与一郎議員 (自民党)
中川 一雄議員 (自民党)
田中 明秀議員 (自民党)
よし井 あきら議員 (自民党)
加藤 あい議員 (共産党)
西村 善美議員 (共産党)
とがし 豊議員 (共産党)
安井 つとむ議員 (民主・都)
青木 よしか議員 (民主・都)
天方 浩之議員 (民主・都)
大道 義知議員 (公明党)
湯浅 光彦議員 (公明党)
国本 友利議員 (公明党)
江村 理紗議員 (京都党)
佐々木 たかし議員 (京都党)
清水 ゆう子議員(み・無)

市の基本方針

【森林環境税の導入】自民党 井上 与一郎議員(右京区)
Q 森林は、景観維持や土砂災害防止などの公益的機能を有しているが、近年、後継者不足等により放置され、森林災害や景観悪化が懸念される。施策の更なる拡充が必要であり、財政基盤を強化すべき。森林環境税の導入は有効な手段の一つであり、検討状況と今後の見通しを聞きたい。
A 森林保全等の施策に係る財源確保は重要であり、企業や団体から寄付を募る「京都みどりプロジェクト」(※1)と併せ、森林環境税の導入を検討している。同様に導入を検討中である京都府とも協議を進めている。一方、国で新税(※2)が導入されており、市町村の税財源の確保・充実を要望していく。
※1 「京都みどりプロジェクト」
 企業・団体の協賛により、市民・観光客が商品等の購入時に払った費用の一部を、「ナラ枯れ」防止の取組に充当するというもの。
※2 新税
 低炭素社会の実現に向け、平成24年10月1日から施行された「地球温暖化対策のための税」。

【原子力に関する認識】共産党 加藤 あい議員(左京区)
Q 大飯原発の稼働は直ちに停止するよう主張すべき。また、原子力規制委員会による大飯原発敷地直下の活断層有無の調査については、調査データの公開を求め、独自に安全性を検証すべき。関電に対しては、立地県並みの安全協定締結を要請するよう求める。
A これまでから、中長期的には脱原発依存、短期的には稼働の必要性を明らかにし、万全の安全を確保したうえで、地域住民の理解を得る必要があると主張してきた。活断層調査については、年内に安全性評価が行われる予定であり、動向を注視する。安全協定については、京都府の協議結果を踏まえ締結の必要性を検討する。

【はばたけ未来へ!京(みやこ)プラン実施計画の撤回】共産党 加藤 あい議員(左京区)
Q 京プラン実施計画は、社会福祉関係経費を含む歳出の大幅削減や、保有資産の売却ありきの「有効活用」を進めるなど、市民の福祉と暮らしを破壊するものとなっているため撤回を求める。
A 毎年度の社会福祉関係経費の自然増に必要な一般財源約25億円を確保するため、消費的経費(※)等の見直しを進める。これは、市民の福祉を支えるものである。不要な保有資産については、売却や貸付けを進め、社会全体で有効活用し、地域活性化につなげることは当然であり、市政運営に必要な財源の確保を図っている。実施計画に基づく取組を推進し、市民の安心・安全な生活を支えていく。
※ 消費的経費
 人件費、物件費、維持補修費、扶助費、補助費等をいう。

【災害時の情報伝達及び避難訓練】公明党 湯浅 光彦議員(右京区)

Q 情報通信端末を利用した情報伝達手段を避難訓練に導入するとともに、一斉に各個人が安全を守るための行動を実行するシェイクアウト訓練(※)を実施してはどうか。加えて事業者等に対し、高齢者等向けの情報通信端末取扱い講習の実施を働き掛けてほしい。
A 多様な情報伝達方法を積極的に導入してきたが、特に即時性・広範性のある緊急速報メールとシェイクアウト訓練を組み合わせ、市民、通勤・通学者、観光客が一斉に実施すれば高い効果があり、年度内の訓練実施に向け準備する。情報弱者対策としては、講習会開催の働き掛けに加え、市の行事で普及啓発活動を実施する。
※ シェイクアウト訓練
 参加者が、指定された日時に、それぞれの場所で一斉に身の安全を図る行動を取るという訓練。

【「双京構想」の実現に向けた取組】京都党 佐々木 たかし議員(中京区)
Q 京都の未来を考える懇話会(※)で提案された双京構想は、京都、そして日本の在り方を大きく左右する構想であり、強力に推進すべきである。「双京」という言葉の持つ意味、その実現に向け本市として担うべき役割を聞きたい。
A 皇族の方に京都にお住まいいただき、東京と京都が都としての機能を双方で果たす双京構想を提案しており、7月には国に要請を行った。京都は世界の文化首都、日本人の心のふるさとであり、皇族のお住まいにふさわしいと確信している。市民と共に日本の未来、世界の平和のため双京構想の気運を醸成し、実現を目指すことが本市の役割の一つである。
※ 京都の未来を考える懇話会
 市長、知事、商工会議所会頭、京都大学総長や有識者が30年後の京都の「ビジョン」を語り合い、オール京都で京都の未来像を検討していくための懇話会。

産業振興と観光・文化政策

【中小企業振興基本条例の制定】共産党 西村 善美 議員(右京区)
Q 市内中小企業が京都経済・雇用の中心を担っているにも関わらず、本市は中小企業への直接支援を後退させてきた。中小企業を社会の主役と位置付け、一貫して支援を推進するため、「中小企業振興基本条例」を制定すべき。
A オール京都体制で中小企業振興に向けた取組を展開している。府市協調の制度融資によるきめ細かな金融支援、商工会議所と一体となった経営支援体制の構築、知恵産業創出を支援する補助制度の創出等、様々な支援策を実施し、高評価を受けている。この状況で条例を制定するには、他都市での効果や事業者の声等を踏まえた十分な検討が必要である。

【観光を通じた復興支援と「京都創生(※1)」に基づく観光政策】青木 よしか議員(右京区)
Q 本市が培ってきた京都ブランドをいかした観光分野での復興支援の総括と今後の展開、観光面の本市ならではの使命を聞きたい。また、国際平和や国際交流・ソフトパワー(※2)という鍵と共に、MICE戦略(※3)、未来・京都観光振興計画の展開の中、京都創生の理念をいかに浸透・充実させるのか。
A 京都の伝統文化の癒しの力で、観光関係者等と共に被災地を支援してきた。感謝の声は多く、会津若松市への積極的支援も決めた。今後も京都創生の理念の下、文化・景観政策に取り組み、座禅等「ほんもの」と触れ合う観光の充実やMICE戦略の推進により、世界が憧れる京都を目指す。
※1 京都創生
 京都の自然や都市景観、伝統文化などを、日本の歴史文化の象徴として守り、育て、その素晴らしさを国内外に発信することを進めていく取組。
※2 ソフトパワー
 国家が軍事力や経済力ではなく文化、政策、理念などの魅力によって相手国を引きつける力。ハーバード大学教授、ジョセフ・ナイが1990年に提起した概念。
※3 MICE戦略
 京都市MICE(マイス)戦略。MICEは、ミーティング、インセンティブ、コンベンション、イベント/エキジビションの総称。

【日本の食文化の継承・発展と日本酒の消費拡大】自民党 田中 明秀議員 (西京区)
Q 以前、日本料理のユネスコ無形文化遺産への登録(※)の働き掛けを提案したが、それでは文化財としての法的位置付けがない。日本の食文化の継承・発展のため、本市無形文化財に京料理を指定すべき。また日本酒の国内消費が減少しており、「日本酒で乾杯」も含め、食と併せた取組を進めるべき。
A 京料理を本市文化財に指定するには課題が多く、その価値を発信し、次代に伝える独自の仕組みの創設など、効果的な手法を検討する。日本酒振興については伝統産業との連携を展開しており、今後も「日本酒で乾杯」の奨励など日本酒の消費拡大、日本の食文化の継承・発展に取り組む。
※ ユネスコ無形文化遺産への登録
 社会的慣習、祭礼行事、伝統工芸技術のような無形文化の保護のため、ユネスコで審査のうえ無形文化遺産として登録する仕組み。日本では歌舞伎、人形浄瑠璃、祇園祭の山鉾行事等が登録されている。

【京都会館再整備の見直し】共産党 とがし 豊議員(左京区)
Q ISC20C(※)が京都会館建替え計画に対し、「美と調和を損なう」ものであるとして遺産警告を発令した。警告を重く受け止めるならば、同会館の解体工事を直ちに凍結し、外観や構造部分を残す当初の改修計画に戻すこと。
A 再整備案は、京都会館の建物価値を継承しつつ、公共ホールとしての機能再生と安全性の確保を図るもので、現時点の最適な計画である。遺産警告は、イコモス国内委員会からの要請を受けて正式に出されたものではなく、現在、改めて同委員会との間で解体工事と並行した調査の実施等について協議している。理解を得られるよう真摯に対応していく。
※ ISC20C
 20世紀遺産に関する国際学術委員会。世界遺産登録の審査や監視活動を行っているイコモス(国際記念物遺跡会議)の委員会の一つ。

交通政策

【「歩くまち・京都」実現に向けた道路空間の再構成】民主・都 天方 浩之議員(西京区)
Q 「歩くまち・京都」の実現に向け、本市では各種社会実験を実施してきた。また、地域主権改革推進一括法により、各自治体の道路構造について、地域独自の基準の条例化が可能となっている。今後、人、自転車、公共交通、クルマが利用する道路空間をどのような方針で再構成するのか。
A 「歩くまち・京都」総合交通戦略に基づき、歩行者最優先の道路空間確保に取り組んできた。一方、一括法の公布を受け、狭あいな道路が多い京都の特性を踏まえた条例案を準備中である。今後も誰もが歩いて出掛けたくなる道路空間と公共交通を整え、にぎわいのあるまちを創造していく。

【京都駅南口駅前広場整備における交通マネジメントシステムの導入】公明党 大道 義知議員(南区)
Q 京都駅南口駅前広場整備計画の事業化に当たり、真に「歩くまち・京都」にふさわしいものにしていただきたい。また、周辺道路に待機する観光バス対策として、阪神高速8号京都線高架下を活用したショットガン方式(※)による交通マネジメントシステムを提案するが、取組方針を聞きたい。
A 昨年3月に策定したこの計画は、「歩くまち・京都」の玄関口にふさわしい駅前広場を整備するものである。観光バスについては、乗降場を現行の倍の規模とするが、運用方法の工夫等も重要である。議員提案のシステムについては、今後諸課題を整理しつつ、積極的に導入を検討していく。
※ ショットガン方式 
 路上待機による渋滞防止のために、乗り場とは別に待機駐車場を設置し、乗り場に空きができると次の車両が向かうという方式。

【嵯峨・嵐山地区への自動車流入抑制策】自民党 井上 与一郎議員(右京区)
Q 観光シーズンの嵯峨・嵐山地区の交通渋滞は深刻であり、関係機関が連携し対策を講じてきたが、限界に達している。抜本的対策が必要であり、課題はあるものの、ロードプライシング(※)導入も選択肢の一つである。同地区への公共交通は充実し、交通対策の蓄積もある。導入に向けた社会実験の候補地としてはどうか。
A 従前からパークアンドライドや臨時交通規制等に取り組んできたが、更なる自動車流入抑制が必要である。ロードプライシングを導入する場合、同地区は有力な候補地であるが、多くの課題がある。今後、解決策を研究のうえ、社会実験について検討する。
※ ロードプライシング
 混雑する道路設備の効率的利用という観点から、混雑税や混雑料金を課す道路料金制度。国内の一般道路での実施例はなく、シンガポール、ロンドンなどで導入されている。

【南部広域バス検討協議会による市南西部広域新規バス路線】民主・都 安井 つとむ議員(伏見区)
Q 京阪淀駅と阪急西山天王山駅(※)を結ぶ公共交通機関を開設した場合、その範囲は伏見区を中心に宇治市、長岡京市等まで及び、横大路への球技場誘致が進む中、観客輸送の大きなルートの一つとなる。試験運行をしてほしい。
A 西山天王山駅を発着点とする府南部地域のバス路線充実のため、自治体、バス事業者等で構成する協議会が3月に発足した。同駅と淀駅を結ぶバス路線の実現には、関係自治体間の連携が重要となる。沿線6自治体の住民への交通アンケートの結果を踏まえ、市南部地域活性化の観点から、協議会で試験運行も視野に入れた検討がされるように働き掛ける。
※ 西山天王山駅 
 阪急京都本線の大山崎駅と長岡天神駅の間に建設中の新駅。

市民生活と教育の充実

【情報発信及びサービス提供における携帯情報端末の利用】公明党 国本 友利議員(左京区)
Q 携帯情報端末の普及に伴い、市民や観光客が情報を得やすい環境整備が求められる。ハード面としての無線LAN環境が整備される中、ソフト面も充実すべきであり、市独自アプリの導入や、情報発信に加え、施設予約等のサービス提供に取り組んではどうか。
A インターネット利用環境を整備中であるが、スマートフォンのアプリ等の活用も共に進めるべきと考える。一部の分野ではフェイスブック等で情報を発信してきたが、更なる利便性向上のため、情報セキュリティの確保、情報発信の積極的展開に向けたガイドラインを定め、情報発信・サービス提供をより戦略的に進める。

【地域における見守り活動促進事業の充実】自民党 中川 一雄議員(伏見区)
Q 今年度開始の「地域における見守り活動促進事業」を通じ、どのような地域社会を目指すのか。また、見守り対象者名簿の貸出先となる団体との個人情報管理等に係る協定書の締結状況はどうか。締結にとどまらず、各地域で「顔の見えるつながりづくり」を発展させる仕組みが必要である。
A 全ての学区民生児童委員協議会及び地域包括支援センターと協定書締結を終え、約6割の学区社会福祉協議会とも締結済みである。今後、「顔の見えるつながり」の強化に努めつつ、各サービスが切れ目なく利用できる支援体制を作り、安心・安全で幸福を実感できるまち・京都にしていく。

【伏見区役所神川出張所の移転による機能充実】自民党 中川 一雄議員(伏見区)
Q 神川出張所のある久我・久我の杜・羽束師地域は、子育て世代を中心に人口が増加し、活力ある地域である一方、伏見区役所への交通の便が悪いなどの課題がある。出張所の移転準備が進んでいるが、これを機に、出張所の機能充実と公共交通の利便性向上を図る必要があるのではないか。
A 移転後の出張所は地域の中心部に位置し、床面積も約2倍となるため、まちづくり活動や交流用のスペースを設ける。また、児童手当、子ども医療費及び高校進学・修学支援金業務を新たに取り扱い、隣接の地域包括支援センターと連携した取組も行う。公共交通の充実も検討していく。

【教科書採択及び自国を愛する心を養う教育】自民党 井 あきら議員(山科区)
Q 本市使用の教科書において、日本人が受け継ぎ育むべき伝統や歴史等の記述に不満を感じている。次期教科書採択では、日本人の誇りや社会を築いた先人への感謝の気持ちを育む教科書が採択されるべき。また、自国に誇りを持ち、自国を愛する心を養う教育に本気で取り組んでほしい。
A 我が国と郷土を愛する態度を養うこと等を目標とする教育基本法等の趣旨に則り、適切な教科書採択に努める。世界に誇る我が国の歴史・文化の学習や儀式的行事での国歌斉唱など、日本人としての誇りを持って国を愛する子どもたちの育成に取り組んでおり、今後も全力で育成を進める。

【いじめ対策の更なる周知】み・無 清水 ゆう子議員(伏見区)
Q 本市はいじめ対策の電話相談窓口に加え、不登校の子ども支援サイト(※)を開設し、関係機関をまたいだ情報の集約と提供をしているが、周知不足ではないか。分かりやすいホームページの作成や紙での配布に加えて、学校や地下鉄車両内、広報板の枠など、目立つ場所へ常設掲示してはどうか。
A 本市では全保護者に配布している家庭教育新聞、市民しんぶん、支援サイトへの掲載等により相談窓口の周知に努めてきた。今後、議員の提案を踏まえたポスター等の作成・掲示や児童生徒向け相談窓口紹介カードの配布拡大など、子どもへの周知方法を工夫し、情報提供の充実に努める。
※ 不登校の子ども支援サイト
 本年4月から開設されており、本市在住の不登校に悩まれている子どもやその御家族の方に、様々な相談機関等に関する情報を知らせ、適切な支援を受けていただくためのサイト。また、学校の先生や相談機関の職員の方に他の機関に関する情報を知らせ、草の根的なネットワークの構築を図ることも目的としている。

そのほかの主な質問
○洛西地域における公共交通の利便性向上      (自民党)
○雇用対策の推進及び緊急雇用対策事業の継続  (共産党)
○自立援助ホームの必要性               (民主・都)
○防災・減災施策の計画的な推進及び財源の確保  (公明党)
○いじめに関するアンケート調査の充実        (京都党)
○女性の活躍の場の拡大                 (み・無)

○意見書・決議〔要旨〕
 9月定例会では、意見書7件(いずれも国への要望)と決議2件を可決しました。(審議結果は平成24年第4回定例会 【議案・審議結果】のページ参照。全文は平成24年第4回定例会 【意見書】 のページで御覧いただけます。)
 意見書については,内閣総理大臣など,関係機関に提出しました。

B型・C型肝炎ウイルス患者の救済に関する意見書
1 肝炎対策基本法に基づき、患者救済に必要な法整備や予算化を進め、実効ある患者の救済策に取り組むこと。
2 「特定血液製剤によるC型肝炎感染者に救済給付金を支給する特別措置法」に基づき、血液製剤による感染の可能性が高いC型肝炎感染者を広く救済する措置を講じること。
3 「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」に基づき、対象者を速やかに救済できるようにすること。

脱法ドラッグとりわけ脱法ハーブに対する早急な規制強化等を求める意見書
1 成分構造が類似していれば一括して薬事法の指定薬物として規制対象にできる包括指定を早急に導入すること。
2 指定薬物が麻薬取締官による取締りの対象外であることを改め、指定薬物を発見した場合に収去ができるなど、法整備の強化を図ること。
3 特に青少年や若者の乱用を防ぐため、薬物教育の徹底や各種団体への啓もう・啓発活動等に積極的に取り組むこと。

気象事業の整備拡充を求める意見書
 より精度の高いきめ細かな防災情報、暮らしや産業に密接に関わる気象情報を提供することができるよう、気象事業全般の基盤強化を図るよう強く求める。

自治体における防災・減災のための事業に対する国の財政支援を求める意見書
 橋りょうや道路施設の長寿命化、上下水道等の老朽施設の更新、防災拠点となる庁舎等の耐震化等について、補助採択基準の緩和や補助率の引上げなどの国庫補助制度の拡充及び交付対象事業の範囲拡大等の財政支援の拡充を強く求める。

中小企業の成長支援策の拡充を求める意見書
1 環境、健康、医療など新たな成長分野で事業を取り組もうとする中小企業を支援するために、ベンチャー企業等への積極的な投資や経営支援の強化など、中小企業の成長支援策を拡充すること。
2 地域の中小企業に雇用や仕事を生み出し、内需を創出する活性化策として、老朽化した社会インフラの修繕・補強など、必要な公共事業に対し、一定期間、集中的な投資を行うこと。
3 電力の安定的な供給体制の構築を目指し、自家発電設備及び省エネルギー機器、とりわけデマンド監視機能やLED等を普及促進するための支援措置を拡充すること。
4 中小企業の将来性と事業の継続性を確保するために、学生・若者の雇用マッチング事業を地域単位で強化するなど、優秀な若手人材の確保のための対策を講じること。

税制全体の抜本改革の確実な実施を求める意見書
 修正合意に盛り込まれた所得税の最高税率の引上げや、相続税・贈与税の見直しをはじめとする税制全体の抜本改革について、消費税の8パーセントへの税率引上げ前に必要な検討を加えるとともに、自動車取得税と自動車重量税についても、地方の財源に十分考慮しつつ、消費税との二重課税である取得税の廃止を含め、税制全体の抜本改革を断行するよう強く求める。

我が国の領土・主権の護持等に関する意見書
1 中国政府に対し、在留邦人・日系企業に対する徹底した安全の確保及び破壊行為により日系企業等が被った損害に対する賠償を強く求めること。
2 我が国の領土・領海における主権を護持するための毅然とした対応の下、領土・領海に関する必要な法制度の整備や、海上保安庁等の体制強化を早急に行うこと。
3 北方領土、竹島、尖閣諸島は、我が国固有の領土である。今後は、歴史的・国際法的根拠及び我が国の主張の正当性を、広く国際社会に示す外交努力を行うこと。

沖縄県での米軍人による女性暴行致傷事件に関する決議
1 被害者や家族への謝罪と完全な補償をすること。
2 加害者の厳正なる処罰をすること。
3 米軍人・軍属等の徹底した綱紀粛正及び人権教育の在り方を見直すこと。

衆議院の早期解散に関する決議
 特例公債法案の成立が遅れており、地方交付税の交付が延期されるなどの支障が生じており、このまま赤字国債が発行できなければ、国の財源が枯渇し、国民生活に甚大な打撃を与えることになる。  
 また、尖閣諸島や竹島等の外交課題が相次ぐ中、適切な対処のためにも、早期に国民の信を得た政権を確立する必要がある。
 よって野田首相は、早期に衆議院を解散するよう強く要望する。

○市会が採択した請願
[8月臨時会] ○JR西大路駅のバリアフリー化2件(南区)
[9月定例会] ○マンション建設の指導2件(中京区)

○9月定例会の審議結果
 9月定例会で審議した市長提出議案55件、議員提出議案12件の審議結果は、平成24年第4回定例会 【議案・審議結果】のページを御覧ください。

○決算特別委員会の審査
 9月定例会では、23年度決算を審査するため、9月28日に決算特別委員会を設置しました。  
 決算特別委員会には一般会計決算など決算22件及び関連議案2件を付託し、局別の質疑や市長・副市長に対する総括質疑を行うなどの審査を行いました。10月26日の本会議で委員長から審査の経過と結果の報告があり、報告の後、付託決算等の議決を行い、全て原案のとおり認定・可決しました。
 なお、23年度決算に付けた意見(要旨)は次のとおりです。

〔一般会計〕
1 決算審議で予算時に見込まれた内容や数量に大きな差異があると判明した事業は、廃止を含め次年度の予算編成に際し、それを反映させること。
 中でも、京都市キャンパス文化パートナーズ制度については、大学生が京都の文化に直接触れる良い制度であるが、諸条件により制度を受けられない大学生も数多くある。
 現事業の趣旨を実現させるには、財政的な課題と共に、大学関係機関との連携を更に深める必要があり、廃止も視野に入れながら、全ての大学生が参加できる新制度の構築に向け取り組むこと。
 あわせて、京都三大祭の開催日は全ての大学に参加しやすい環境を作るよう求めることにより、より一層京都の大学生が文化に触れ合う機会を作るよう努めること。         
(全会一致)

2 決算実績報告では、当該年度の予算方針に対する結果を報告し、そのうえで各事業について市民にも分かりやすく報告すること。
(全会一致)

3 家庭ごみ有料指定袋制の実施に伴う財源の活用については、決算実績報告書で明確にするとともに、事業ごとに市民に分かるよう工夫すること。                  
(全会一致)

4 昭和25年に設立された京都市消防団協会は、昭和23年結成の京都市消防団と共に、京都市消防行政推進に今日までその役目を果たし、毎年本市から4,900万円の交付金を受けているが、その中から各支部への交付金(920万円)、消防団及び分団への運営維持費(2,800万円)、福利厚生事業(平成21年導入、えらべるクラブ)への助成金(900万円)については、交付の在り方を見直し、検討すること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)

〔水道事業特別会計、公共下水道事業特別会計〕  
 防災・減災対策をはじめ、耐用年数を経過した老朽管全体を含めた総合的な対策に取り組むこと。そのため、長期的に総事業量を見積もり、総合的な計画を策定し、次期経営計画に反映させること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)

○付帯決議(要旨)
〔一般会計補正予算、基金特別会計補正予算〕
1 京都マラソンの事業費を1億円増額し、その財源は協賛金収入や新たに募集するチャリティランナーの参加費を充てるとのことだが、その増額分を計画どおり確保すること。加えて京都マラソン2013の実施に当たり、市民負担軽減のために事業費の圧縮の工夫を一層行うこと。
 また、本事業を長年にわたり継続実施していくには、事業に市税を投入し続けることを前提とせず、より広く運営に参画していただく仕組みづくりが不可欠である。よって、組織の在り方と運営体制について、他自治体関連のマラソン事業も参考に、再構築に向け努力すること。

2 京都マラソン2013の実施に当たり、「チャリティランナー」という表現については、スポーツ振興基金への寄付が「慈善の精神に基づいて行われる公益的な活動」に該当するとの説明があったが、誤解を生じている。
 今後、表現や周知の在り方を検討すること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)

〔市税条例の一部改正〕
 職権で実施されてきた65歳以上の個人市民税の減免措置の廃止について、理事者は、議会をはじめ、対象者及び市民に対して、その内容を十分に周知し、理解を求めるとともに、廃止に伴い、制度上影響の出る精神通院医療や身体障害者更生医療に対して、適切に対応すること。
 また、本市には、税制研究会によって平成14年に在り方を指摘されている減免措置がこのほかにも存在している。
 今後は、税負担については、公平公正を原則としたうえで、検討段階での議会への説明などをしっかりと行い、本市の税に対する考え方が市民に広く認知されるように努めること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)

〔西京極総合運動公園条例、横大路運動公園条例、体育館条例、市民スポーツ会館条例の一部改正〕
1 各指定管理者に対して施設の管理運営について適切な指導、助言を行い、市民サービスの向上に努めること。
(全会一致)

2 今回の条例改正は市民のスポーツ施設の利用促進が目的だが、料金設定の内容が複雑で分かりにくいなどの声があることから、条例施行までに市民に対して十分な説明を行うこと。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)

〔地区計画の区域内における建築物等の制限に関する条例の一部改正〕
 新景観政策における地区計画、また、特例許可制度の活用については、市民から疑義を抱かれないよう、検証のうえ制度を活用するガイドラインを早急に作成し、市民の理解を得ること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)

〔消防指令システム・消防救急無線システム整備に係る製造請負契約の締結〕
 両システムの契約に当たっては、過去から同じ3社が順次請け負ってきた経過があるが、入札制度においては、透明性、公正性、市場競争性の視点が重要であることから、更に広く公平公正な入札制度の信頼性向上に努めること。
(全会一致)
〔○=付けた意見、付帯決議に賛成、×=付けた意見、付帯決議に反対〕

○お伝えします 市会の取組
◆議会費の平成23年度決算のうち、4年に一度の議場、委員会室等の議会棟の改修について、各会派が「できるだけ経費を掛けずに」と協議し、必要最小限の改修にとどめ、経費を節減しました。

◆海外先進事例(国内未実施のロードプライシング、再生可能エネルギー)を調査し、市政に反映させるため、議員を派遣する予定です。

○親子ふれあい議場見学会を開催
 11月3日(土・祝)に、「京都市会 親子ふれあい議場見学会」を開催しました。当日は、32組(70名)の児童と保護者が参加され、市会議場などを見学しながら、市会の仕組みや役割を学ばれました。

○11月定例会の審議結果等
 11月26日(月)に開会しました11月定例会の内容につきましては、次号(2月15日発行予定)でお伝えします。
 なお、市会ホームページで審議結果や本会議の様子などを御覧いただけます。

                                             (平成24年11月19日現在)
 会派名  議員数 電話番号 
 自由民主党京都市会議員団 22人 222-3718
 日本共産党京都市会議員団 15人 222-3728
 民主・都みらい京都市会議員団 13人 222-3724
公明党京都市会議員団 12人 222-3732
地域政党京都党京都市会議員団  4人 222-4035
みんなの党・無所属の会  2人 222-3739


紙面に関する御連絡・お問い合わせは
市会事務局調査課(TEL:075-222-3697)

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