平成23年(2011年)12月15日発行
京都市会ホームページ
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●〒604-8571 京都市中京区寺町通御池上る
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【目次】
○一般会計など23会計 平成22年度決算を認定
○親子ふれあい議場見学会の開催
○本会議の代表質問から
○意見書(要旨)
○9月定例会の審議結果
○11月定例会の審議結果等
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<一般会計など23会計 平成22年度決算を認定> |
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○議長から市民の皆様へのメッセージ |
第78代市会議長 井上 与一郎
平成23年9月定例会が、9月27日から10月31日まで開かれ、22年度一般会計決算や条例の改正などの議案について審議いたしました。
また、この9月定例会から、本会議の傍聴者に対して代表質問項目の一覧を配布することとし、現在、市会改革推進委員会において議論を行っている、「市民により分かりやすい議会」の取組の推進に向け、一歩前進することができことができました。
このように、京都市会では、市民の皆様の期待と信頼に応え、自治体の意思決定と行政の監視機能としての役割を十分に果たしていくとともに、市会が一層身近に感じることができるよう、時代の要請に即応した議会改革に取り組んでまいりたいと考えております。
今後とも、地域主権時代にふさわしい市会を目指し、誠心誠意、努力を傾けてまいりますので、皆様の御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。
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○9月市会定例会 |
9月定例会は、9月27日から10月31日までの35日間開かれ、市長提出議案42件、議員提出議案12件を審議しました。
市長提出議案のうち、平成22年度各会計決算23件については、決算特別委員会を設置して付託・審査のうえ、全て認定しました。平成23年度一般会計補正予算など3件についても、予算特別委員会を設置して付託・審査のうえ、原案のとおり可決しました。
また、地域コミュニティ活性化推進条例の制定など、議案13件をそれぞれ担当の常任委員会で審査し、地域コミュニティ活性化推進条例の制定については修正可決、それ以外の議案は原案のとおり可決しました。
さらに、監査委員の選任など議案3件についても、原案のとおり可決しました。
議員提出議案については、定期接種に関し、早期に国の制度確立を求める意見書など、11件の議案を原案のとおり可決しました。
9月定例会で審議した主な議案の概要は次のとおりです。
(結果は平成23年第5回定例会 【議案・審議結果】のページを参照)
〔平成22年度決算〕(下記の表も御覧ください。)
◆一般会計
歳入総額が7千714億3千1百万円に対し、歳出総額が7千673億3千5百万円となり、歳入歳出差引額は40億9千6百万円の黒字ですが、翌年度へ繰り越すべき財源が33億6千5百万円あるため、実質収支は7億3千1百万円の黒字となっています。
人件費の削減や徹底した事務事業の見直しなどの聖域なき行財政改革、地方交付税の確保等により、実質収支は3年ぶりの黒字となり、単年度収支も、17億8千2百万円で2年連続の黒字となりました。
◆自動車運送事業
総収益は、一般会計からの補助金が減少したことなどにより、208億9千4百万円(対前年度比7.6%の減)と減少する一方、総費用も、退職手当や減価償却費の減少などにより、186億8千3百万円(対前年度比5.2%の減)と減少しました。この結果、22億1千1百万円と8年連続の黒字となりました。なお、累積赤字は65億4千1百万円となりました。
◆高速鉄道事業
総収益は、駅周辺の大型店舗の開業等の効果などによる旅客数の増加や「コトチカ四条」の開設をはじめとした駅ナカビジネスの拡大などにより、268億9千7百万円(対前年度比2.4%の増)と増加する一方、総費用は、退職手当の減少や駅職員業務の一部民間委託化の拡大などにより、359億6千5百万円(対前年度比12.9%の減)と減少しました。この結果、前年度に比べ改善は見られたものの、90億6千8百万円の赤字となり、累積赤字は3千283億8千7百万円となりました。
〔その他の主な議案〕
◆地域コミュニティ活性化推進条例の制定
本市における地域コミュニティ(※)の活性化の推進に関し、その基本理念を定め、本市等・事業者の責務及び地域住民の役割を明らかにするとともに、地域コミュニティの活性化の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、地域コミュニティの活性化を総合的かつ計画的に推進するため、条例を制定するものです。
※ 地域コミュニティ
本市の区域内における、地域住民相互のつながりを基礎とする地域社会。
平成22年度一般会計及び特別会計歳入歳出決算
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歳入決算額 |
歳出決算額 |
歳入歳出差引額 |
実質収支額 |
一般会計 |
7,714億3,079万円 |
7,673億3,500万円 |
40億9,579万円 |
7億3,107万円 |
特別会計 |
5,950億699万円 |
5,989億1,880万円 |
△39億1,180万円 |
△40億2,038万円 |
※ 公営企業会計を除く17会計
平成22年度公営企業会計決算
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総収益 |
総費用 |
損益 |
累積損益 |
病院事業 |
141億9,531万円 |
140億2,698万円 |
1億6,833万円 |
△4億8,327万円 |
水道事業 |
292億7,437万円 |
279億8,888万円 |
12億8,549万円 |
62億9,222万円 |
公共下水道事業 |
469億9,903万円 |
431億9,641万円 |
38億262万円 |
3億9,952万円 |
自動車運送事業 |
208億9,443万円 |
186億8,337万円 |
22億1,106万円 |
△65億4,109万円 |
高速鉄道事業 |
268億9,731万円 |
359億6,530万円 |
△90億6,799万円 |
△3,283億8,704万円 |
注 文中及び表中の金額は、下位を四捨五入しています。
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○地域コミュニティ活性化推進条例の制定について修正可決 |
地域コミュニティ活性化推進条例の制定に係る議案については、くらし環境委員会に付託され、その審査過程において、@自民党、民主・都みらい、公明党の各議員団から共同して修正案が、また、A共産党から修正案が、それぞれ提出されました。同委員会における審査及び本会議における審議を経て、@の修正案のとおり修正可決しました。
可決した修正案では、共同住宅の居住者の交流促進に向けた事業者の取組を規定する条項において、一戸建ての分譲地についても、入居者間相互の交流や、入居者と地域住民との交流を促進する必要があることから、その旨の規定を追加するなどしました。
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○決算特別委員会の審査における理事者(市長等)からの主な答弁内容 |
○洛西ニュータウンで発生した水道管破裂事故を受け、一帯で老朽化した水道管(計13キロ)の更新期間を今後5年から2年に短縮する。
○本市に避難している東日本大震災の被災者の市営住宅等への入居期間を1年間から2年間に延長する。
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○親子ふれあい議場見学会の開催 |
11月3日(木・祝)に、市内在住・在学の小学4〜6年生の児童と保護者の方を対象に「京都市会親子ふれあい議場見学会」を開催しました。当日は、42組(102名)の児童と保護者が参加され、市会議場などを見学しながら、市会の仕組みや役割を学ばれました。
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○本会議の代表質問から |
・今定例会から非交渉会派(議員数が4人以下の会派)も代表質問を実施!
・今定例会から傍聴者に代表質問項目の一覧を配布! |
10月4日・5日の本会議では以下の16人の議員が各会派を代表して、市政の各般にわたって市長や関係理事者に質問を行いました。 本号では、その主なものをお伝えします。
自民党=自由民主党京都市会議員団
共産党=日本共産党京都市会議員団
民主・都=民主・都みらい京都市会議員団
公明党=公明党京都市会議員団
京都党=地域政党京都党京都市会議員団
み・無=みんなの党・無所属の会
津田 大三議員 (自民党)
田中 英之議員 (自民党)
桜井 泰広議員 (自民党)
富 きくお議員 (自民党)
井坂 博文議員 (共産党)
岩橋 ちよみ議員 (共産党)
北山 ただお議員 (共産党)
鈴木 マサホ議員 (民主・都)
山岸 たかゆき議員 (民主・都)
片桐 直哉議員 (民主・都)
久保 勝信議員 (公明党)
田 孝雄議員 (公明党)
大道 義知議員 (公明党)
村山 祥栄議員 (京都党)
佐々木 たかし議員 (京都党)
清水 ゆう子議員(み・無)
市の基本方針
【門川市政の3年半の検証と今後】自民党 津田 大三議員(中京区)
Q 市長は就任以来、庁内の縦割り行政の打破、市民との協働によるまちづくり、交通局の経営改善、市債残高の減少など大きな結果を残されてきた。就任後3年半の振返りと現時点における2期目についての考えを聞きたい。
A 市民力、地域力こそ京都のまちづくりの源泉と考え、多くの市民活動の場等に足を運んできた。市民と行政が共に汗し行動する「共汗」の輪は着実に広がっている。また、財政健全化に尽力しつつ、安心・快適なまちづくりに取り組んできた。「はばたけ未来へ!京プラン(※)」で掲げた京都の未来像を自ら実現したい思いはある。2期目については熟慮したい。
※ はばたけ未来へ!京(みやこ)プラン
平成23年度から10年間の京都の未来像と主要政策を明示する都市経営の基本となる京都市基本計画。京都市基本構想に基づく第2期計画として平成22年11月市会定例会で議決し、策定された
【門川市政の総括とマニフェストの評価・検証】民主・都 鈴木 マサホ議員(左京区)
Q 財政がひっ迫した中、市長はオール市役所でマニフェスト実現に努力した。及第点を取っていると思う。就任後4年間の感想や総括、マニフェスト実施の自己評価、今後の課題を聞きたい。
A 政策の「融合」と市民との「共汗」を基本理念に現地現場主義で取り組んできた。行財政改革を進めつつ、福祉や教育、生活の安心安全を守り、事業者支援や未来の京都への先行投資も行った。マニフェストは9割以上実行できたが、防災対策、経済活性化等の課題が残る。「はばたけ未来へ!京プラン」で描いた京都の未来像を自ら実現したいが、当面は政策の前進に全力で取り組む。
【理想とする市民協働の在り方】み・無 清水 ゆう子議員(伏見区)
Q 財政問題等本市の厳しい現実を乗り越えるには市民の協力が不可欠であり、市民協働の発展には、市民と行政が現実を直視・共有し、各々の役割を果たす必要がある。本市の市民協働はどうあるべきか、模範とする先進モデルの存否も含め、示されたい。
A 京都には自治の伝統と機運が息づいており、市民力を行政が支える協働の仕組みを構築する必要がある。伏見区の大岩山再生の取組等、住民の発意にNPO等が呼応し側面から行政が支える取組が広がっている。目指すべき自治の先進モデルは京都の中に着実に芽生えており、今後も様々な主体との連携、協働を推進する。
保育と福祉の充実
【保育所の現行職員配置基準と面積基準の堅持】共産党 井坂 博文 議員(北区)
Q 本市はプール制の改悪や補助金削減により保育士の処遇等に重大な影響を与えており、元に戻すべき。また、厚生労働省が本市を含む一部の自治体に居室面積基準の独自引下げを認める方針を決定したが、とんでもない話である。本市独自の職員配置基準の拡充、面積基準の堅持を求める。
A 新プール制は既に定着し、職員の処遇に混乱はない。今後もプール制に対し適切な補助を行い、民間保育園の保育水準向上を図る。人員の配置基準については国を上回るプール制の現行基準を維持する。居室面積基準については、充実した保育環境を守るため、現行基準の緩和は行わない。
【児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の条例化】自民党 田中 英之議員(右京区)
Q 法律により、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の条例化が求められている。現在、本市保育所は国基準を上回る人員配置基準となっており、居室面積基準も継続して維持できると考える。どこよりも早い条例化が、優れた保育制度を持つ本市の役割であると考えるが、基本的な考え方やスケジュールを聞きたい。
A 国の人員配置基準を上回るプール制の基準を基本としたいが、各保育所の運営への影響に配慮する必要がある。居室面積基準については緩和しない。子どもを生み育てる喜びを実感できる本市にふさわしい条例の年度内の提案に向け、関係機関と協議する。
【地域における高齢者の居場所づくり】民主・都 片桐 直哉議員 (北区)
Q 高齢者の方が喜びを持って生活でき、介護予防にもなるよう、地域で人とふれあう場所を増やす取組が始まっているが、世代間交流が不十分で、定期的開催のみであるなどの課題がある。世代を超えた常設型の居場所づくりに対する行政支援が必要である。
A 老人福祉センター等の設置や介護施設への地域交流スペースの整備を進めてきたが、地域で孤立する高齢者の増加が見込まれる中、身近な活動拠点として、常時気軽に行ける居場所を増やす取組が重要である。今後、地域の創意工夫による空き家等の活用への支援など、地域における魅力ある居場所づくりの具体化を進める。
【地域に根差した地域包括ケアシステムの構築】公明党 久保 勝信 議員(山科区)
Q 地域包括支援センター(※1)において、地域のネットワーク構築や介護支援専門員への支援、総合相談業務等を十分に行えていないのではないか。研修の充実や行政の責任ある関与により、センター機能の強化を図るべきである。
A 地域包括ケアを支える中核機関として市内61箇所にセンターを設置し、多様なニーズに対応してきたが、介護予防支援業務の負担により本来の総合相談業務等に十分取り組めていない。このため、今市会で議決いただいたネットワーク構築や研修の事業を進める。来年度から、センター体制の見直し等をプラン(※2)に盛り込み、本格的な機能強化策を実施する。
※1 地域包括支援センター
高齢者の介護に関する相談を24時間体制で受けるための施設。
※2 プラン
第5期京都市民長寿すこやかプラン。地域における高齢者保健福祉サービスの供給体制等に関する高齢者保健福祉計画と、介護保険を円滑に運営するための事業等に関する介護保険事業計画を一体的に定める計画。
くらしとまちづくり
【区役所の権限強化】民主・都 山岸 たかゆき議員(伏見区)
Q 市民サービス向上や地域のまちづくり推進には、区役所の予算権限拡大が重要で、参加と協働という、基本計画に掲げる市政推進の役割を区役所が発揮するため、区政策提案予算(※)の大幅増額と区役所の裁量で予算執行できるより柔軟な仕組みが必要である。
A 区役所・支所が区民の願い等を迅速に具体化するため、区政策提案予算等の自治体内分権の取組を進めてきた。区基本計画の実現に向けた取組強化が必要であり、従来の予算の仕組みを一新して、仮称だが「区民提案・共汗型まちづくり支援事業」を創設し、区長の予算執行に係る権能を高め、予算の大幅増額を図る考えである。
※ 区政策提案予算
区長が区民の声を踏まえて自らのマネジメントにより抽出した重点課題に基づき、区役所が主体的に独自事業を企画し、予算要求を行うもので、平成17年度予算から実施している。
【空き家対策】公明党 田 孝雄議員(上京区)
Q 空き家が急増する中、本市に数多くある細街路に面した住宅は再建築ができず放置され、防災上も危険となるため、再建築を可能とする施策が必要である。また、指導に応じない所有者への行政代執行等の措置を明記した条例を制定した自治体もあり、本市も空き家対策条例を検討すべき。
A 細街路について、地域コミュニティによる防災力強化を含む総合的対策を検討し、今年度中に細街路対策指針をまとめる。危険家屋所有者への指導は法律を根拠とし、改善のない場合、行政代執行を視野に入れ対応してきた。他都市の状況も踏まえ、本市にふさわしい条例の在り方を検討する。
【橋りょうの耐震補強及び老朽化修繕】自民党 富 きくお議員(山科区)
Q 本市には古い橋りょうが多く、災害時においても健全な都市機能を確保できるよう、耐震補強及び老朽化修繕を早急に実施する必要がある。危険度の高い橋から優先順位を定め、対策を着実に実施するための計画策定が急務であり、本市施策の中でも優先して積極的に取り組むべきである。
A 東日本大震災後、本市の橋りょうを総点検した。耐震補強や老朽化修繕が必要と判明したものについて、優先順位や取組目標を定めたプログラムを年内に策定し、速やかに対策に着手する。費用についても国に財源拡充を要望し、市民の「いのち」を守る橋りょうの健全化に取り組む。
【JR太秦駅のバリアフリー化整備の推進】自民党 田中 英之議員(右京区)
Q 東映太秦映画村がリニューアルされた。その界隈のJR太秦駅は、狭あいな駅舎で、高齢者や障害のある方、ベビーカーを持った方等にとって階段の上り下りなど大変不便である。地元からもバリアフリー化の要望が強い。JR西日本、国、府と連携し、バリアフリー化を早期実現すべき。
A JR嵯峨野線の複線化が22年3月に完了し、JR西日本がバリアフリー化のためのエレベーター設置の用地を確保するなど、整備に向け準備が進んでいる。検討中の「新京都市交通バリアフリー全体構想」でも位置付け、最優先の順位で早期整備できるよう、関係者と共に全力で取り組む。
【JR太秦駅等のバリアフリー化】共産党 岩橋 ちよみ議員(右京区)
Q 東映太秦映画村の来場者も利用するJR太秦駅は、1日7千人が利用するが、エレベーター等がなく、利用者や地元からバリアフリー化の要望が強い。JRとの協議を進め、バリアフリー化を早期実現すべき。利用者5千人以上の未整備の駅も、検討中の「新京都市交通バリアフリー全体構想」に盛り込み、改善すべき。
A JR嵯峨野線の複線化が22年3月に完了し、JR西日本がエレベーター設置の用地を確保するなど、バリアフリー化整備に向けた条件が整いつつある。最優先の順位で早期整備できるよう、関係者と共に取り組む。未整備の駅の取扱いも検討・協議する。
【五山の送り火の対応】京都党 佐々木 たかし議員(中京区)
Q 京都五山の送り火騒動は全国的な問題に発展した。京都党市議団が岩手県を訪れた際、真っ先に挙がった話題もこの送り火のことであった。風評被害の震源地となった今回の騒動は取り消せないが、だからこそ京都が取り組むべきことがあるのではないか。
A 様々な経過、背景があったが、保存会との連携等の取組が十分でなく、被災者の方々をはじめ、市民・全国の方々の気持ちを傷付けたことをお詫びする。引き続き、被災者・被災地の支援に全力を挙げ、風評被害への対応については、正確な情報発信はもとより、被災地の方々の意向を踏まえた実現可能な方策を検討する。
環境・エネルギー政策と防災対策
【「市民参加型・地域一体型」の共同発電制度の創設】公明党 大道 義知議員(南区)
Q 東日本大震災後、再生可能エネルギーへの関心が高まり、太陽光発電システム設置補助金の申請件数も昨年度同期の3倍となった。今後、誰もが少額費用で再生可能エネルギーの普及拡大に関与できる「市民参加型・地域一体型」の発電制度を創設すべき。
A より多くの市民が太陽光発電の普及拡大に気軽に参加できる「市民協働発電制度」が必要と考える。市民の共同出資により公共施設等に太陽光発電システムを設置し、売電収入で必要経費を賄い、利益を出資者に還元する仕組みを来年度構築する。NPOや事業者と意見交換し、大学の知見も生かして早期実現に取り組む。
【原発ゼロに向けたエネルギーの転換】共産党 井坂 博文議員(北区)
Q 原発事故により、原発からの撤退や自然エネルギーへの転換を求める動きが広がっている。市長は7月に「当分は安全性を十分確認したうえで原子力発電に依存しなければならない」と述べたが、原発からの撤退を決断すべき。原発ゼロに向け努力する「脱原発」の姿勢に立つのかどうか。
A 原発事故は大きな被害をもたらし、今なお終息が見通せない。この深刻な状況や我が国が世界有数の地震国であることに鑑み、中長期的には省エネルギー型ライフスタイルへの転換を図り、再生可能エネルギーの導入拡大や地産地消の推進により原発に依存しない社会を目指すべきと考える。
【東日本大震災の災害廃棄物の受入れ】自民党 桜井 泰広議員(左京区)
Q 国は、東日本大震災の災害廃棄物の受入れを全国の自治体に要請している。本市では、放射能が付着したものは受け入れず、また、受け入れる場合は事前に現地で確実に安全性を確認し、風評被害防止の観点からも情報を正確に、速やかに、かつ、分かりやすく市民に公開することを望む。
A 市民の安心安全のため、放射性物質に汚染されているおそれのある災害廃棄物は安全性が確認されない限り受け入れない。受け入れる場合は放射能濃度の測定はもとより、運搬から埋立処分までの各段階でも安全性を確認し、併せて安全性に関する情報を市民へ迅速に分かりやすく公開する。
【焼却灰溶融施設の稼働中止】共産党 北山 ただお議員(山科区)
Q 焼却灰溶融施設の稼働により東部山間埋立処分地を今の50年から70年に延命するとのことだが、70年で1千200億円の維持管理費と年間2万7千トンの温室効果ガス排出を伴う。ごみ減量化、再資源化、企業への指導で同施設なしの延命は可能である。他都市の状況も踏まえ稼働は中止すべき。
A 市民や事業者の協力で減量化やリサイクルを推進し、ごみ量は10年間で約4割減少した。本市唯一の最終処分場で、約523億円投入した同処分地を今後70年以上活用するには、更なるごみ減量と同施設の稼働が必要である。稼働後は、効率的な運転で経費削減と温室効果ガスの発生抑制を図る。
【原子力災害対策】自民党 津田 大三議員(中京区)
Q 東日本大震災の原発事故は市民に不安を与え、また、風評被害などで京都経済に暗雲を落としている。市民が不安を覚えないように、基礎的な知識の啓発や十分な情報発信が重要だが、原子力災害対策にどう取り組むのか。
A 震災後直ちに農作物等の放射能検査を行い、結果をホームページに掲載している。また、放射能等について掲載した印刷物を全戸配布する。対策の検討に必要な客観的データを収集するモニタリングポスト(※)は、京都府に要望し、市内3箇所で増設される。今後、地域防災計画の中に、放射線や風評被害等の対策について、原発事故を想定した計画を定める。
※ モニタリングポスト
空気中の放射線を24時間連続で監視している機器。
そのほかの主な質問
○早急な浸水対策の強化 (自民党)
○防災計画総点検委員会の中間報告に対する認識 (共産党)
○太陽光発電の利用促進 (民主・都)
○前立腺がん検診制度の導入 (公明党)
○京都を取り巻く人口問題 (京都党)
○財政問題に対する現状認識及び今後の展望 (み・無)
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○意見書〔要旨〕 |
9月定例会では、意見書11件(いずれも国への要望)を可決し、内閣総理大臣など、関係機関に提出しました。(審議結果は平成23年第5回定例会 【議案・審議結果】のページ参照。全文は平成23年第5回定例会 【意見書】 のページで御覧いただけます。)
定期接種に関し、早期に国の制度確立を求める意見書
1 子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンについては、定期接種化までの間の臨時促進事業を継続すること。
2 高齢者に対する肺炎球菌ワクチンを含むVPD(ワクチンで防げる病気)に対する公費定期接種の継続及び拡大を図ること。
3 安心して平等に受けられる予防接種体制を確立すること。
京町家の維持・保全に関する意見書
相続人が、相続税の負担を原因として京町家の維持・保全を断念することがないよう、相続人に対し、京町家を維持・保全することを条件に、課税標準額に対する税率の引下げ、納税猶予の実施等の特別な優遇措置を講じること。
学校施設の防災機能向上のための新たな制度創設を求める意見書
1 新増改築時及び大規模改造の際に整備することができるとされている貯水槽・自家発電設備等の防災設備の整備を単独事業化するなど、学校施設の防災機能向上のための新たな制度を創設すること。
2 制度創設に併せて、地方負担の軽減を図るため、地方財政措置の拡充を図るとともに、耐震化事業同様の地方交付税措置を確保すること。
3 学校施設の防災機能向上と共に、再生可能エネルギーの積極的導入を図るため、太陽光発電のみではなく、太陽熱、温度差熱利用、蓄電池などについても補助対象を拡充すること。
大規模災害時に備えた公立学校教職員派遣制度の創設を求める意見書
1 東日本大震災で明らかになった教職員派遣に関する諸課題について、阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震など、過去の大規模災害時における事例も参考にしつつ、十分な検証を行うこと。
2 大規模災害時における迅速かつ適切な教職員派遣を行うために、地方自治体による派遣教職員情報のデータベース化や被災地とのマッチング支援などを図る公立学校教職員派遣制度を創設すること。
3 同制度の導入に当たっては、大規模災害時における教職員派遣に関する課題が克服されるよう、費用負担の在り方を明記するなど、被災自治体の状況を踏まえた制度設計に努めること。
受診時定額負担の導入に反対する意見書
全ての国民が公平な負担の下で、同じ医療を受けることができる国民皆保険制度を将来にわたって堅持するべく、受診時定額負担を導入しないこと。
エネルギー政策の転換の推進を求める意見書
1 稼働中の原子力発電の問題点を更に検証し、徹底した安全対策を早急に図ること。
2 環境問題にも配慮した再生可能エネルギー、自然エネルギーによる電力の安定供給を目指し、研究開発を推進する予算を確保すること。
年金受給資格期間の短縮を求める意見書
年金受給資格期間の10年への短縮を速やかに実現すること。
電力多消費型経済からの転換を求める意見書
1 家庭での省エネ・エコ化の早期推進のため、「節電エコポイント」(仮称)を創設し、省エネ型家電への買換え、LED照明の普及を促進すること。
2 住宅エコポイントは、対象となる改修工事の範囲などを拡充すること。
3 事業所、各家庭等における太陽光発電設備やLED照明の導入など、省エネ投資を促進するため、税制・財政・金融面での支援措置を講じること。
円高・デフレを克服する経済対策を求める意見書
1 日本経済全体を底上げするための景気対策、防災対策のための必要な公共事業の推進などを含めた補正予算を早急に執行すること。
2 年末に向けた中小企業の万全な資金繰り対策の拡充など、円高の痛みを直接受ける輸出産業への痛みを緩和する施策を打ち出すこと。
3 外国人観光客の減少による観光業、伝統産業への支援策を打ち出すこと。
4 地域の雇用の維持・確保に活用することができる臨時交付金を創設すること。
「子ども・子育て新システム」の撤回を求める意見書
1 子ども・子育て新システムについて、「今年度中の法案提出」との方針を撤回すること。
2 保育制度の見直しにあっては、保護者、保育現場等の意見を十分尊重し、慎重に検討すること。
3 来年度に向けて、「安心こども基金」の拡充等、保育の充実に向けた、地方の創意工夫が可能で生かされる来年度予算編成を行うこと。
環太平洋パートナーシップ(TPP)(※)への参加に関する意見書
拙速にTPPに参加することなく、慎重に対応すること。
※ 環太平洋パートナーシップ(TPP)
原則として全品目の関税を撤廃し、また、サービス貿易、政府調達、知的財産、人の移動等を包括的に協定するもの。
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○9月定例会の審議結果 |
9月定例会で審議した市長提出議案42件、議員提出議案12件の審議結果は、平成23年第5回定例会 【議案・審議結果】のページを御覧ください。
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○決算特別委員会の審査 |
今回から市長総括質疑について、従来のモニター視聴ではなく、直に委員会の様子を御覧いただける直接傍聴を実施しました。 |
9月定例会では、22年度決算を審査するため、10月3日に決算特別委員会を設置しました。
決算特別委員会には一般会計決算など決算23件を付託し、局別の質疑や市長・副市長に対する総括質疑を行うなどの審査を行いました。10月31日の本会議で委員長から審査の経過と結果の報告があり、報告の後、付託決算の議決を行い、全て原案のとおり認定しました。
なお、22年度決算に付けた意見(要旨)は次のとおりです。
〔一般会計〕
1 環境未来都市推進を目指す本市は、再生可能エネルギーの地産地消の推進を図るべきであり、バイオマスの発生場所での利用を経済的に可能とする小規模低コストバイオガス化技術の実証を行うこと。
(自=○、共=○、民=○、公=○、京=○、み・無=×)
2 スポーツ施設等の整備については、選手生命を奪うようなけがの防止とプレーへの影響を防ぐ観点から、平成23年度に人工芝に張リ替えられた下鳥羽公園球技場に続き、人工芝の損傷が著しい宝ヶ池球技場についても張替えを行うこと。
(自=○、共=○、民=○、公=○、京=○、み・無=×)
3 区役所・支所の宿日直嘱託員84名の中には65歳以上が44名在職し、うち80歳以上が4名在職している。任用期限日の適用除外対象者のうち、専門性や資格免許等を必要としない嘱託員には、65歳の定年制を適用すること。また、業務内容については、経費節減等の改善に努めること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)
4 土木事務所の夜間等緊急電話受付業務について、随意契約を見直し、上下水道局発注の同種事業の委託との統合を検討すること。また同様なケースがないか全庁で見直し、同種事業による効率化を図ること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)
5 京都市直営自動車駐車場について、利用収入が管理運営費すらを下回るところがあり、また、本市外郭団体である財団法人京都市都市整備公社についても、不採算駐車場が多い。不採算駐車場を放置すれば、やがて税金で穴埋めをしなければならなくなるため、更なる経営効率化を図り、赤字箇所については撤退も含め検討すること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)
6 東日本大震災の教訓を踏まえ、より一層の災害に強いまちづくりの推進のため、危機管理の所管局である消防局防災危機管理室が平常時において更なる中心的役割を果たすための予算と権限の枠組み及び人員体制の強化を図ること。
(全会一致)
〔水道事業特別会計〕
1 老朽管の布設替えについては、多大な財源が必要なため、他都市とも連携し、国に対して補助制度を拡充するよう、強く求めること。
(全会一致)
2 頻発する西京区内の配水管漏水事故に伴い、酸性土壌地域における耐食性の高い配水管への速やかな更新計画を明確にすること。
(全会一致)
3 山ノ内浄水場廃止に伴う給水区域切替えに関連して広範囲の濁水発生が予想されることから、市民へのきめ細かな広報周知や減免制度等、万全の対策を進めること。
(全会一致)
4 鉛製給水管取替工事助成金制度については、年間200件の当初目標からみて80件と少ない数にとどまっている。よって、制度の在り方も含め、市民に使いやすいものとなるよう努めること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=○)
〔公共下水道事業特別会計〕
雨天時に合流式下水道から流出する未処理下水やごみを削減するため、雨水吐口流出抑制対策を一層推進すること。
(全会一致)
〔自動車運送事業特別会計〕
市バス事故減少対策については、積極的に取り組んでいるものの減少していないことから、事故ゼロを目指し徹底した取組を図ること。
(全会一致)
〔高速鉄道事業特別会計〕
乗客の安全を使命とする地下鉄において、ホームの可動式転落防止柵設置に向け前向きな検討を行い、国に財政支援の働き掛けを行うこと。
(全会一致)
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○付帯決議(要旨) |
〔一般会計〕
1 発注工事において、地元業者の受注機会を増やし、市外業者が受注した場合にも、市内業者が下請で参入できる方策を講じること。
2 保育園待機児童解消に向け、定員増が図られた地域もあるが、中京区をはじめ、待機児童解消にめどが付いたわけではない。用地確保が困難ではあるが、統廃合された小学校跡地などの公共施設を一時的にでも利用し、市内中心部の待機児童解消につなげるべきである。所管局で協議し、地域の協力を得て、市内中心部の待機児童解消対策を講じること。
3 異常気象や相次ぐ台風により、豪雨災害が増加している。被害箇所の速やかな改修が重要であるとともに、危険箇所を事前改修することも求められる。しかし、平成8年及び9年に調査された、緊急工事が必要な473箇所に対して、工事が完了したのは124箇所にすぎない。よって、未完了の349箇所の速やかな改修工事を進めること。
(全会一致)
〔地域コミュニティ活性化推進条例〕
1 今後、地域コミュニティ活性化の推進に関する計画を定めるに当たり、基本理念として価値観の共有化を図り、また施策として幼・保・小・中学校との連携も重視し取り組めるよう環境整備すること。
2 共同住宅に関して適用される連絡調整担当者の選任制度については、地域コミュニティ活性化の総合的な推進を図る条例の趣旨に鑑み、共同住宅以外の住宅の新築工事、販売、賃貸及び管理をする事業者にも適用することが適当な場合があることから、環境整備をしたうえで、必要な措置を講じること。
(自=○、共=×、民=○、公=○、京=○、み・無=×)
〔○=付けた意見、付帯決議に賛成、×=付けた意見、付帯決議に反対〕
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○11月定例会の審議結果等 |
11月25日(金)に開会しました11月定例会の内容につきましては、次号(2月15日発行予定)でお伝えします。
なお、市会ホームページで審議結果や本会議の様子などを御覧いただけます。
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