平成13年8月21日 カネボウホリデイ株式会社 代表取締役 齋藤 忠雄 様 カネボウ不動産販売株式会社 代表取締役 小木曽 徹 様 京都市長 桝本 ョ兼 大規模小売店舗立地法による届出に対する市の意見について 平成12年12月26日付けで届出のあった大規模小売店舗について,大規模小売店舗 立地法(以下「法」という。)の規定により,下記のとおり市の意見を通知しますので, 当該意見について検討の上,変更の届出又は変更しない旨の通知を行って下さい。 なお,当該意見が適正に反映されず,当該大規模小売店舗の周辺の地域の生活環境に著 しい悪影響を及ぼす事態の発生を回避することが困難であると認めるときは,法第9条第 1項により勧告することがあります。 記 1 大規模小売店舗の名称及び所在地 ジャンボスクエア山科 京都市山科区音羽野田町1番地 2 法第8条第4項の規定による市の意見について 現在の状況及び意見書の提出状況等に配意するとともに,大規模小売店舗を設置する 者が配慮すべき事項に関する指針(平成11年通商産業省告示第375号)(以下「指 針」という。)を勘案し,届出書類を総合的に検討したところ,本変更計画の実施によ り外環状線における来客車両による路上での駐停車が更に増加するなど,交通に及ぼす 影響が大きいと考えられるので,来客及び店舗関係者による路上での駐停車を防ぐ対策 を講じる必要があると判断する。 3 付帯意見 今回の変更計画の実施にあたり,駐輪場の適切な運営について努力することが望まれ る。 意見理由 1 現在の状況(立地状況・既存の問題点等) 当該商業施設は,東側が午前7時から午後7時までの自動車類の交通量が平日14, 219台,休日13,152台(平成11年度道路交通センサス,観測地点番号702 5,山科区音羽西林)である外環状線に面しており,都市計画上の商業地域及び第二種 中高層住居専用地域に立地している。 周辺の状況は,北側は道路を挟み店舗併設のマンション,東側は道路(外環状線)を 挟み店舗併設のマンション,西側は川を挟んで住宅,南側は店舗併設のマンションが立 地している。 また,当該商業施設には隔地駐車場が3箇所存在するが,その周囲は住宅や店舗等が 立地している。 現在,外環状線において店舗関係者及び来客の車両が路上に駐停車していることがあ り,また,店舗利用者のものかは不明であるが,歩道上に自転車の駐輪が見受けられる。 当該商業施設は法施行以前から営業を行っており,閉店時刻及び来客が駐車場を利用 することができる時間帯の終了時間については年間60日間の営業している実績(以下 「営業実績」という。)がある。また,駐車場の収容台数の減少については,法上は届 出後8箇月間(又は市が意見を有しない旨を通知するまで)は変更することができない が,当該駐車場借地契約の一部解消により,8箇月が経過する前に実施されている。 2 説明会の状況 法第7条第1項の規定に基づき開催された2回の説明会のうち,第1回目の説明会に おいて,閉店後に一部の人が店舗周辺を徘徊し,ゴミの散乱・喫煙非行等の問題が生じ ており,営業時間の延長により同様の問題の増加が懸念されるとの意見が出された。 3 意見書 法第8条第2項の規定により出された意見はなかった。 4 市の見解 今回の変更計画における,指針に掲げる事項との関連では,駐車場及び駐輪場の収容 台数減少に加え,営業時間の延長及び店舗面積の増加により,一日あたりの総来客数が 増加し,駐車場及び駐輪場の利用者が増加すること,廃棄物等の排出量が増加すること 及び昼間の等価騒音レベルの値が高くなることが予想される。 駐車場については,ピーク時の来客数は増加するが,営業実績及び予測により,収容 台数の減少後においても駐車場の収容台数の不足が生じる恐れは少ないと判断される。 しかし,京都市大規模小売店舗立地審議会委員からは,現状見受けられる路上駐車に ついて,駐車場が当該商業施設から離れており来店客にとって利用しやすいものではな いためではないかとの意見が出された。 今回の変更計画の実施により,来客数が増加し,外環状線における来客車両による路 上での駐停車が増加し,今以上に周辺の生活及び事業活動に支障が生じると思われるた め,店舗関係者及び来客車両による路上での駐停車を防ぐ対策を講じる必要があると判 断される。 駐輪場については,京都市建築基準条例で定める前面空地を確保するためその位置が 変更されたものである。その結果,収容台数が20台減少したが,京都市自転車等放置 防止条例に基づく付置義務台数は確保されている。 なお,店舗前面の違法駐輪については,来客によるものとは断言できないが,駐輪場 の位置を変更するにあたり,当該商業施設利用者に対し店舗駐輪場を利用するよう誘導 するなど駐輪場の適切な運営を図るために努力することが望まれる。 廃棄物等の排出量の増加については,営業実績及び予測により現状の保管施設容量に より対応可能であると判断される。 昼間の等価騒音レベルの値が高くなることについては,変更前の営業時間に対する増 加時間の割合が最大で9%と少なく,変更に伴う等価騒音レベルの上昇値が0.4dB と大きくないこと,荷さばき施設において荷さばきを行うことができる時間帯が変更し ないこと,営業実績及び駐車場出入口付近の状況などから周辺の生活及び事業活動に与 える影響は少ないと判断される。 また,説明会で出された,一部の人が閉店後に店舗周辺を徘徊し,ゴミを散乱すると の周辺住民からの苦情・意見について,届出者からは,警備員による巡回指導の強化や 集まりやすい場所の照明消灯などで対応したいとの説明がなされており,これらの対策 が着実に履行されることが望まれる。 |