世界遺産「古都京都の文化財(京都市・宇治市・大津市)」

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K.西芳寺(苔寺)
後世の庭園に大きな影響を与えた名園
設立年代:14世紀中期(1339)
 西芳寺(さいほうじ)は,天平年間(729〜749)に僧行基により開かれたと伝え,その後暦応2年(1339)に夢窓疎石が禅宗寺院として復興したものです。復興当初は,平地部に二層の楼閣の瑠璃殿をはじめとする庭園建築と花木に彩られた池庭を,山腹には洪隠山(こういんざん)と呼ばれる枯山水石組と座禅堂指東庵(しとうあん)を配し,さらに山頂の展望地点には縮遠亭(しゅくえんてい)を建てて,華やかな風景を呈していたと伝えています。
 文明元年(1469),兵火により建物は失われましたが,庭園は夢窓疎石が整備した地割と石組がすべて苔に覆われながら保持されており,荒廃した後の姿を名園と評価されています。なお,現在残る茶亭の湘南亭(しょうなんてい)は16世紀末から17世紀初頭に建てられたものです。
 この庭園は,建築と庭園との一体化,確実な手法の石組,眺望という視点など,前代までのものにはみられない形式が取り入れられており,後世の庭園に大きな影響を与え,日本庭園史上重要な位置を占めるものです。

写真撮影 神崎順一 氏

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