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 平成24年第2回定例会 【意見書・決議】

夏の電力不足対策に関する意見書

(24年5月28日提出)

 東日本大震災以降,電力の在り方については,より安全に利用することが求められ,安全を最優先にし,間もなく迎える今夏の暑さ対策を考慮しながらも,日常生活及び経済活動をはじめとする国民生活は,必ず守らなければならない。
 全ての原子力発電所が停止されている中,原子力発電の占める割合の高かった関西電力管内では,大変厳しい電力環境が予想されている。その中で,関西電力は,計画停電の実施の準備に入ることとしており,各方面で不安の声が上がっている。
 よって国におかれては,特に医療・福祉施設において甚大な影響が考えられる計画停電の回避を目指し,電力供給が維持できるよう,関西電力に対し,下記の項目について強く指導するよう要望する。
 
 
 電力の需給がひっ迫しないよう,他社からの融通も含めた全国的な対策を講じること。
 自家発電など既存の発電力について最大限活用すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,経済産業大臣


再生可能エネルギーの導入促進に向けた環境整備を求める意見書

(24年5月28日提出)

 昨年2011年8月に成立した「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が,本年7月1日に施行される。これにより,再生可能エネルギーの固定価格買取制度がスタートし,政府は,この3年間で集中的に利用拡大を図るとしているが,導入促進に向けての環境整備は不十分である。
 導入に当たっての課題として,発送電分離など電力システム全般の改革のほか,風力発電では送電網整備の強化が急務であり,太陽光発電ではメガソーラーの円滑な設置が可能となるよう農地法の問題などの環境整備,さらに,家庭用パネルの設置の際に発生する初期費用の問題が挙げられる。また,小水力発電導入時の手続の簡素化・迅速化なども求められている。
 日本の再生可能エネルギー利用は,水力発電を除いた実績(2005年環境省)で,電力消費全体に対する使用割合が約1パーセントと欧米諸国と比べて遅れており,消費電力に対するエネルギー源の多様化が急務となっている。
 よって国におかれては,再生可能エネルギーの導入促進と実効性ある買取制度に向け,下記のとおり,十分な環境整備を図るよう強く求める。
 投資促進減税,省エネ・代替エネルギー減税などの拡充を実施し,再生可能エネルギーの導入を促進すること。
 買取価格・期間の設定において,設定ルールを明確化し,長期的な将来の見通しを示し,制度の予見可能性を高めること。
 再生可能エネルギー発電事業に係る規制改革を確実に実施するとともに,進捗状況の管理のための独立機関等を設置すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,経済産業大臣,環境大臣,資源エネルギー庁長官


無免許運転の根絶のための法改正を求める意見書

(24年5月28日提出)

 4月23日に亀岡市で集団登校中の児童等の列に暴走車が突っ込み,小学生ら3人が死亡し,7人が負傷する痛ましい事故が発生した。亡くなられた方の御冥福と共に,負傷された方の一日も早い回復を心よりお祈りいたします。
 この事故は,無免許の少年が運転していた車が起こした事故であり,何の責任もない将来のある子どもたちや保護者が犠牲になったことに,日本中が深い悲しみを覚えるとともに,怒りを禁じ得ない。
 今回,この運転していた少年に適用されたのは,刑罰の重い危険運転致死傷罪ではなく,自動車運転過失致死傷罪である。これは,危険運転致死傷罪適用の構成要件が「進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ」と曖昧な記述であることに起因している。これについて,亡くなった方や家族にとっては,決して納得できるものではない。このような事故を繰り返さないためには,道路交通法及び刑法における無免許運転の厳罰化をはじめ,無免許運転を許さない社会づくりが急務である。
 よって国におかれては,このような無免許運転を根絶させるため,道路交通法における無免許運転を厳罰化するとともに,刑法における危険運転致死傷罪適用の構成要件に無免許運転を明記するよう,法改正を強く求める。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,法務大臣,国家公安委員会委員長


「防災・減災ニューディール」による国土強靭化を求める意見書

(24年5月28日提出)

 1960年代の高度経済成長期から,道路や橋りょう,上下水道など社会資本の整備が急速に進んだ。高度経済成長期に建築されたものは,現在,建築後50年を迎え,老朽化が進んでいる。国土交通省の「道路橋の予防保全に向けた有識者会議」は,建築後50年以上の橋りょうが2016年には全体の20パーセント,2026年には同47パーセントと約半数にも上る現状を提示し,経年劣化により劣化損傷が多発する危険を指摘している。
今後,首都直下型地震や三連動(東海・東南海・南海)地震の発生が懸念される中で,防災性の向上の観点からも,社会インフラの老朽化対策は,喫緊の課題である。京都市では,東日本大震災を受けて地域防災計画を見直し,防災対策の総点検を行い,「いのちを守る橋りょう健全化プログラム」等に基づいた具体的な施策推進を始めている。
 災害が起きる前に,老朽化した社会資本への公共投資を短期間で集中的に行うことにより,全国で防災機能の向上を図ることができると同時に,社会全体に需要を生み出すこともできる。つまり,防災・減災と経済活性化をリンクさせた諸施策の実施が可能となる。
 一方,景気・雇用は,長引くデフレと急激な円高により極めて厳しい状況が続いており,そのために必要な政策が,需要の創出である。そこで,公共施設の耐震化や社会インフラの再構築が,地域経済の活性化や雇用の創出にも必要な公共事業として,その潜在的需要が高くなっていると考える。
 よって国におかれては,国民と日本の国土を守り,安全・安心な社会基盤を再構築するため,防災・減災対策として,下記のとおり,公共事業を緊急かつ集中的に行い,地域経済の活性化や雇用創出に資する防災対策を実施するよう強く求める。
 道路や橋りょう,上下水道,河川,公園など,老朽化が進み,更新時期が近づいている社会インフラを早急に点検・特定し維持・更新のための公共投資を積極的かつ集中的に行うこと。
 電気,ガス,水道,通信などのライフラインの共同溝化・無電柱化を促進し,都市の防災機能の向上を図ること。
 地域の安全・安心のために,学校等の公共施設や病院・介護等の社会福祉施設など地域の防災拠点の耐震化及び防災機能の強化を推進すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,国土交通大臣


大飯原子力発電所3号機,4号機の再稼働に関する意見書

(24年5月28日提出)

 昨年3月11日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の深刻な事故は,1年3箇月を過ぎた今なお,被災地域のみならず,日本全国に大きな爪痕を残している。
 とりわけ,本市に近い大飯原発に,ひとたび大事故が発生すれば,京都の市民生活や経済活動はもとより,国内外にも大きな影響を及ぼすこととなる。
 一方,関西電力管内では,今夏の電力需給のひっ迫が深刻であることから,一昨年比15パーセント以上の節電要請があり,市民生活や経済活動にも大きな影響を及ぼす計画停電の準備もされており,非常に厳しい状況にある。
 こうした中,原子力発電に依存しない,持続可能で安心安全な電力供給体制を一日も早く実現していく必要があり,国においては,エネルギー政策の抜本的な転換や,再生可能エネルギーの利用拡大を推進するためのあらゆる施策を講じることを強く求めるものである。
 なお,原子力発電所の再稼働については,原子力発電所の安全性の確保と立地地域の住民の同意を得ることが必要であるが,現時点では,原子力発電の安全性や国民の理解が十分に得られていない状況であり,国において,第三者による専門的な機関による新たな安全基準を確立され,その安全性を徹底的に確保し,国民の理解を十分得て行うなど万全な対応を強く求める。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,経済産業大臣,内閣府特命担当大臣(原子力行政)


「子ども・子育て新システム」関連法案の取下げを求める意見書

(24年5月28日提出)

 現在,国会において「子ども・子育て新システム」の関連法案が審議されているが,同システムは,一番の課題である待機児童の解消ができず,制度が一層複雑化するなどの問題に加え,保育の質の低下や保護者の負担増を引き起こしかねない保育の産業化の方向に向かうものであり,保育園・幼稚園の現場や保護者等の意見を十分に尊重し,慎重に検討した制度として作られているものではない。
 よって国におかれては,同関連法案を直ちに取り下げるとともに,早急に,保育士,幼稚園教諭等の処遇改善や地方自治体の財政負担の軽減など,現行の施策を改善充実させ,全ての家庭の子育てを積極的に支援する政策を推進することを強く求める。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
 

(提出先)

 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣,内閣府特命担当大臣(少子化対策)


「横大路運動公園」への専用球技場誘致を推進する決議

(24年5月28日提出)

 アスリートが夢見る,サッカー,ラグビーなどの競技に取り組む青少年の憧れの球技場として,また,市民・府民が身近にトップレベルのスポーツに触れ合える本格的な専用球技場の京都市内での設置は,サッカーファンはもとより,京都市民の悲願である。
 平成17年に,京都府,京都市及び京都商工会議所による「サッカースタジアム検討委員会」において,横大路運動公園での整備が中間報告としてまとめられ,平成18年には,西京極陸上競技場の全面改修案が検討委員会報告としてまとめられたところである。この当時は,市が整備,運営し,横大路(案)では市・府・経済界の3者で経費を負担するという枠組みで進めてきたものであるが,経費問題のほか,西京極(案)では工事期間中の代替スタジアムが確保できないことや専用球技場でないこともあって,進捗を図ることができなかった経過がある。
 その後,いったん白紙になり,候補地を京都市内も含めた府下全域に広げ,府主導で検討が進められてきたが,今回は,府が整備費用を全額負担し,市町村が無償で土地を提供するという新しい枠組みに,京都市が横大路運動公園を候補地として応募したものである。
 京都市が候補地としている横大路運動公園は,開けゆく伏見区西部地域の核として,未来の京都市を担う重要かつ将来性豊かな地域である。
  「横大路運動公園」での専用球技場の設置は,府市協調のシンボル事業として,今後,京都市南部地域活性化の核となり,さらには新しい観光資源として京都市民・府民にとって大きなメリットを生み出すものである。
 よって京都市においては,「横大路運動公園」への誘致実現に向け,全庁体制で取り組むことはもとより,市民と一体となって誘致に向けた気運を盛り上げ,取組を推進していくことを強く求めるとともに,市会としても,誘致実現に向け,強力に支援していくこととする。
 以上,決議する。


陸前高田市から取り寄せた薪の早期解決に関する決議

(24年5月28日提出)

 昨年の夏,五山の送り火のために岩手県陸前高田市から取り寄せた薪が,現在もなお,西京区内の市の施設に保管されている。
 この薪は,未曾有の大震災に遭われた多くの被災者を供養するための尊い薪であるが,放射性セシウムが検出されたため使用を断念したものである。間もなく今年も五山の送り火を迎えるが,被災地,被災者の方々の心に思いをはせたとき,一日も早く適切に対応することが求められる。
 よって京都市会は,京都の英知を結集し,科学的知見に基づいて市民の安心安全を確保したうえで,市民の合意が得られるよう努め,適切な解決方法を早急に決定し,実行するよう京都市に対して強く要請する。
 以上,決議する。


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