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 平成23年第3回定例会 【意見書】

公立学校施設における防災機能の整備の推進を求める意見書

(23年5月30日提出)

 公立学校施設は,大規模地震や豪雨等の非常災害時には地域住民の防災拠点として中心的な役割を担っている。
 この度の東日本大震災においても,被災者の避難場所であるとともに,必要な情報収集・発信など様々な面において,防災拠点としての重要性が再認識されている。しかし一方で,多くの公立学校施設において,備蓄倉庫や自家発電設備,緊急通信手段などの防災機能が十分に整備されておらず,避難所の運営や被災者の避難生活に大きな支障を来すなどの問題も浮き彫りとなった。こうした実態を踏まえ,現在,避難所として有すべき公立学校施設の防災機能の在り方について様々な見直しが求められている。
 京都市においては,幼稚園,小学校及び中学校の施設の耐震化を推進し,2011年度に100パーセント完了予定である。また,全国の自治体においても,公立学校施設の耐震化や老朽化対策等,積極的な推進を図られているところである。しかし本来,これらの施策と並行して全国的に取り組まなければならない防災機能の整備向上については,政府においても十分な対策が講じられていないのが実情である。
 よって国におかれては,大規模地震等の災害が発生した際,公立学校施設において,地域住民の「安全で安心な避難生活」を確保するために,耐震化等による安全性能の向上と共に,防災機能の一層の強化が不可欠であるとの認識に立ち,下記の項目について速やかに実施するよう強く要望する。
 公立学校施設を対象として,今回の東日本大震災で明らかになった防災機能に関する諸課題について,阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震などの過去の大規模災害時における事例も参考にしつつ,十分な検証を行うこと。
 公立学校施設を対象として,避難場所として備えるべき必要な防災機能の基準を作成するとともに,地方公共団体に対し,その周知徹底に努め,防災機能の整備向上を促すこと。
 公立学校施設を対象として,防災機能の整備状況を適宜把握し,公表すること。
 公立学校施設の防災機能を向上させる先進的な取組事例を収集し,様々な機会を活用して地方公共団体に情報提供すること。
 公立学校施設の防災機能向上に活用できる国の財政支援制度に関して,地方公共団体が利用しやすいよう制度を集約し,窓口を一元化すること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣


震災からの復興に向けた第二次補正予算の早期編成を求める意見書

(23年5月30日提出)

 3月11日に発生した東日本巨大地震・大津波による被害からの本格的な復興は,被災地のみならず,日本経済全体の復興を意味することとなる。我が国全体が非常事態である今,政府が迅速に復興に向けた大規模な補正予算を編成し,執行していくことが,被災者に安心を与え,自治体が躊躇なく的確な事業を実施することにつながる。したがって,一刻も早い復興に向けて更なる補正予算を編成し,本格的な復興に向けた力強いメッセージを内外に発信することは,国会及び政府に課せられた重大な使命と考える。
 しかしながら,菅直人総理は,5月16日の衆院予算委員会で「拙速は気を付けなければならない。」などと述べ,本格的な復興に向けた大規模な補正予算編成を8月下旬以降の臨時国会に先送りする方針を強くにじませている。こうした姿勢は,一刻も早い復興を願う国民の期待や,復興に向けて活動する被災者の気持ちに背を向けるものであり,決して許されるものではない。
 よって国におかれては,今般の未曾有の大災害から一刻も早い復興を実現するため,早期に第二次補正予算を編成し,国会の会期を延長してでも早期成立を図るよう強く要望する。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣


今後の電力需給対策に関する意見書

(23年5月30日提出)

 3月11日に発生した東日本大震災に伴い,東北電力・東京電力管内地域は,原子力発電所の停止などにより,電力供給が大幅に減少した。さらに,菅直人総理による中部電力浜岡原子力発電所の運転停止要請により,夏場の電力不足問題は,東日本のみならず,全国的な問題に発展することも懸念される。  
 電力供給力不足は,国民生活や日本経済全体に大きな影響を及ぼす。政府は,今夏の電力需給対策に加え,将来的な新エネルギー戦略を見据えた施策を速やかに打ち出す必要がある。しかしながら,政府の電力需給緊急対策本部が5月に発表した対策では,国民に節電を呼び掛けるばかりで,節電のインセンティブが働くような施策が盛り込まれなかった。  
 夏場の電力不足を前に,政府及び国会は,予算措置を含めた電力需給対策を早急に打ち出すべきである。  
 よって国におかれては,下記の項目について速やかに実現を図るよう強く要望する。
 自家発電設備,太陽光発電・蓄電池,太陽熱利用システムの導入補助を大幅に拡充すること。
 LED照明設備の導入補助やエコポイント制度の復活等,国民に対して節電のメリットが実感できる施策を早急に実施すること。
 稼働中の原子力発電所の災害対策について,政府として早急に指針を示し,安全対策を講じること。
 電力需給がひっ迫することを踏まえ,法制度の見直しや運用改善について早急に検討し,必要な事項を実施すること。
 
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,経済産業大臣,環境大臣,資源エネルギー庁長官



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