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 平成18年第6回定例会【意見書・決議】

認定こども園の実施に関する意見書

(18年12月15日提出)

  「認定こども園」については,あらゆる子育て需要に対応するため,保育園,幼稚園に加え,子育てをしている保護者の不安や負担感を解消する支援の場として期待されているものの,一方で,@保育水準の確保,A保育に欠ける子どもの公平な受入れの確保,B保育料の設定,について課題があると認識している。
 よって京都府におかれては,全ての子どもの福祉及び幸福の観点を基本に考え,この観点に立った質の高い保育を提供することが大切であり,下記の点に特に留意するよう要望する。
 各市町村によって,待機児童や保育園の設置条件等,保育を取り巻く状況が異なることから,認定に当たっては,本市及び各市町村等と十分な調整を行うこと。
 今後も,保育園が果たしてきた役割が生かされ,かつ,各保育園で実施されている保育水準が低下しないように努めること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 京都府知事


難病対策の充実に関する意見書

(18年12月15日提出)

 特定疾患治療研究事業は,原因が不明であって,治療法が確立していない,いわゆる難病のうち,治療が極めて困難であり,かつ医療費も高額である疾患について,医療の確立,普及を図るため,治療費の自己負担額の全部又は一部の補助を行う事業である。
 本事業については,現在,厚生労働省において,潰瘍性大腸炎,パーキンソン病等の対象範囲の見直しが検討されている。難病患者は,その疾患の進行を阻止し得る手法が確立されておらず,経過と共に重症度が増し,医療への依存度が高くなることが多いため,その見直しに当たっては,疾患に対する治療成績をはじめ,患者の療養環境の改善等,総合的な観点からの検討が必要である。
 よって国におかれては,難病の克服に向けた研究が一層進むよう,研究費の確保に努めるとともに,原因不明で治療法も未確立な難病が近年ますます増加している実態にかんがみ,特定疾患治療研究事業の対象疾患の新規指定について検討を深めるなど,難病対策の一層の充実を強く求める。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


医師,看護師等の医療従事者の確保対策の推進を求める意見書

(18年12月15日提出)

 少子高齢化の進展,医療ニーズの多様化などに伴い,医療を取り巻く環境は大きく変化しており,安心,安全な医療サービスの提供を実現するためには,医師,看護師等の医療従事者の確保対策が急務となっている。
 医師の充足状況については,平成16年の医師臨床研修制度の変更により,地方における医師不足が深刻化しており,国の「医師の需給に関する検討会報告書」においても,平成34年には医師の需給が均衡するとしながらも,地域別,診療科別の医師偏在の解消が喫緊の課題と指摘されているところである。
 また,安心,安全な医療サービスを提供するためには,医師をサポートする看護師,助産師等の役割が重要であり,その確保を図るとともに,医療の高度化,専門化等に対応できる資質の向上が不可欠である。
 よって国におかれては,医師,看護師等の医療従事者の確保のため,地域や診療科における医師の需給状況を踏まえつつ,総合的な医師確保対策を講じるとともに,潜在看護師等の就業促進を含む人材確保対策を推進することを強く要請する。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


「日本司法支援センター」の更なる体制整備と充実を求める意見書

(18年12月15日提出)

 司法制度改革の一環として,国民が法律サービスをより身近に受けられるよう,総合法律支援法が2年前に施行され,同法に基づき,「日本司法支援センター」(愛称・法テラス)が設立され,10月2日,全国で一斉に業務を開始した。
 法テラスは,「身近な司法」実現への中核となる組織で,情報提供,民事法律扶助,司法過疎対策,犯罪被害者支援,国選弁護関連の事務などを主な業務としているが,業務開始の初日だけで全国で約2,300件もの相談があり,国民の期待の程がうかがえる。今後,法的トラブルの相談件数は,年間100万から120万件を超えると予測されており,これに対応できる体制整備が望まれる。
 よって国におかれては,法テラスの体制を更に充実させるため,下記の項目を早急に実施するよう強く要望する。
 全国で21人しか配置されていない常勤スタッフ弁護士を大幅増員し,いわゆる「ゼロ・ワン地域」を早急に解消すること。
 「法テラス」について,地方自治体とも連携して,国民にきめ細かく周知徹底を図るとともに,高齢者,障害者などの司法アクセス困難者への配慮を十分に行うこと。
 「法テラス」の業務については,休日実施や電子メールによる相談サービス等,利用者の利便性の向上に努めること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,法務大臣


森林,林業,木材関連産業政策と国有林野事業の健全化を求める意見書

(18年12月15日提出)

 今日の森林,林業,木材関連産業は,国産材の価格低迷が長期的に続く中で,林業の採算性が悪化し,そのことが森林所有者の林業に対する意欲を失わせ,適切な森林の育成や整備が停滞し,森林の持つ多面的機能が低下している実状にある。
 また,近年,自然災害が多発する中で,山地災害未然防止に向けた治山対策や森林整備等,自然環境や生活環境での「安全・安心の確保」に対する国民の期待と要請は年々増加し,森林の持つ多面的機能の発揮が一層期待されている。更に,地球温暖化防止の枠組みとなる京都議定書が,昨年2月に発効したことに伴い,国際公約となった温室効果ガス6パーセント削減を履行するための,森林吸収量3.9パーセント確保対策の着実な実行も急務となっている。加えて,この間,我が国の森林行政の中核を担い,民有林行政との連携を果たしてきた国有林野事業については,一般会計化,独立行政法人化が検討されている。本市においては,国有林の割合は2.8パーセントと低いものの,東山,鞍馬,嵐山などの景勝地に多いことから,国有林の管理は,本市にとっても大変重要な意義を持っている。
 こうした中,平成18年9月8日,森林・林業基本計画が閣議決定され,今後は,その骨子である,@多様で健全な森林への誘導,A国土保全等の推進,B林業,木材産業の再生を前提に,森林整備や地域材利用計画の推進,林業労働力の確保等の対策を進めていくこととされている。
 よって国におかれては,森林・林業基本計画の確実な実行や,地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策の着実な実行,そして,多面的機能維持を図るための森林整備等を推進するよう,下記施策の実行を強く要望する。
 森林・林業基本計画に基づく,多様で健全な森林・保全の推進,林業,木材関連産業の再生等,望ましい森林,林業政策実行に向け,平成19年度予算の確保等,必要な予算措置を講じること。
 国産材利用・安定供給対策及び地域材利用対策の推進と,木材の生産・加工・流通体制の整備に向け,関係省庁の枠を越えた計画の推進を図ること。
 森林整備を通じた「緑の雇用担い手対策事業」の充実と,森林・林業基本計画に基づく労働力確保諸施策の確立を図ること。
 二酸化炭素を排出する者が負担する税制上の措置などにより,地球温暖化防止森林吸収源10カ年対策を推進するための安定的な財源確保を図ること。
 地球規模での環境保全や,持続可能な森林経営を目指した違法伐採対策の推進を図ること。
 国有林野事業については,安全,安心な国土基盤の形成と,地域振興に資する管理体制の確保を図ること。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,農林水産大臣,林野庁長官,環境大臣


固定資産税の安定的確保(償却資産の評価制度の堅持)を求める意見書

(18年12月15日提出)

 機械及び装置等の償却資産の所有者は,事業活動を行うに当たり,市町村の行政サービスを享受していることから,その受益関係に着目して,資産価値に応じた固定資産税が課税されている。
 このような中,減価償却制度を見直し,取得価格の全額を減価償却できるよう改正すべきとの意見があるが,固定資産税は,所得に対して応能的に課税される法人税とは税の性格が異なり,資産が使用されている限りは受益関係も継続しているため,現行制度を改正することは適当ではない。
 また,償却資産に係る固定資産税収は,政令指定都市全体で約2,550億円であり,依然として各市の財政状況が厳しい中,基礎的行政サービスを安定的に提供するための貴重な税財源となっている。
 法人税等に連動して制度改正が行われた場合には,この税収の約3割に相当する650億円程度の減収が見込まれ,今後の財政運営にも多大な影響が生じ,本市においても平成17年度決算における償却資産に係る固定資産税収は124億円,試算では,このうち32億円が減収となる見込である。
 このため,平成19年度の税制改正に当たっては,償却資産に係る固定資産税について現行制度を堅持することを強く要望する。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣


国際刑事裁判所設立条約批准に関する意見書

(18年12月15日提出)

 1998年に行われた国連外交会議において,我が国の政府代表団は,国際刑事裁判所の設立条約について,意見の異なる諸外国の立場の調整に尽力し,同条約の採択に大きく貢献した。
 しかし,我が国は,国内法の整備と加盟後の分担金の負担を主な理由として,この条約をいまだ批准していない。
 アジアの主要国である我が国の早期批准は,多くの国の批准を促進し,集団殺害(ジェノサイド),拷問,レイプ,奴隷化などを含む人道に対する罪や,戦争犯罪などを起こした個人を,国際法に基づき訴追,処罰することにより,秩序ある平和な世界をつくることに貢献が大である。
 2005年8月2日,衆議院において,「国連創設及びわが国の終戦・被爆60年に当たり,更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議」が採択され,政府は,核の廃絶,持続可能な共生社会の実現を目指し,世界連邦実現への道の探求など,改めて,恒久平和への国際的貢献に取り組んでいる。
 また,2009年には,設立条約の見直し会議や裁判官選挙が予定されており,我が国は,これらに,オブザーバーとしてではなく,加盟国として投票権を有して参加することが望ましいことと考える。
 よって国におかれては,国際刑事裁判所設立条約批准を2007年中に実現するよう要望する。
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,法務大臣,外務大臣



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