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 定例会・臨時会の結果  平成17年第 3回定例会 【意見書・決議】

地方議会制度の充実強化に関する意見書 

 (17年10月13日提出)
 

 地方分権一括法が施行され,地方公共団体の自己決定権が拡大したことに伴い,二元代表制の下,地方議会の役割と責任は,一層重要なものとなっている。
 今後,地方議会が住民の代表機関としてその負託にこたえ,その役割と機能を十分に発揮していくためには,議会の機能等を更に充実強化していく必要がある。
 現在,第28次地方制度調査会において「議会のあり方」を審議項目として取り上げ,議決権の拡大などの「議会の権能」,委員会所属の制限見直しなどの「議会組織」及びITを活用した「議会の運営」などについて活発な審議が行われているところであるが,議会の権能を十分に発揮するためには,議会に係る権限制約的諸規定の緩和や地方議会議員の身分に関する制度改正が必要である。
 よって国におかれては,地方議会の権能強化及びその活性化のために,議会の招集権を議長に付与すること,議会に附属機関の設置を可能とすること,議員の法的位置付けを新たに「公選職」とすることなど,抜本的な制度改正を図られるよう強く要望する。
 
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣


アスベスト対策の強化を求める意見書


 (17年10月13日提出)

 
 アスベスト被害の拡大に伴い,国民の不安は非常に高まっており,対策の強化を求める声が強くなっている。また,アスベストが原因とされる健康被害を受けながら労災補償されていない労働者や,更には家族・周辺住民の被害者からも救済を求める声が相次いでいる。
 よって国におかれては,国民の安全を確保し,被害者の救済を進めるため,下記の項目を早急に実施するよう強く要望する。

 
 「アスベスト問題に関する関係閣僚による会合」を格上げして,総理大臣を本部長とするアスベスト対策本部を設置し,政府を挙げてアスベスト対策を推進すること。
 教育施設をはじめとする公共建築物,民間建築物のアスベスト利用状況の調査を実施しているが,その結果について,利用者に対し適切な情報開示,ばく露防止のための対策を進めるとともに,解体作業に際して,その情報が適切に利用できるよう体制整備を進めること。また,その実施主体である地方自治体に対する支援を強化すること。
 過去から現在に至るアスベスト取扱事業所において,取扱作業に従事した者のアスベストによる健康被害の可能性などについて情報提供を行うよう事業者へ徹底すること。
 各自治体における相談窓口の支援体制を強化するとともに,アスベスト関連疾患における診断治療体制の整備を図り,より鋭敏かつ効果的な診断法や治療法の開発のための研究を進めること。
 アスベスト取扱事業所の過去・現在の労働者及びその家族の健康診断を進めるよう事業者に対して徹底するとともに,ばく露が想定される周辺住民等の健康診断に対応できるよう地方自治体の健診事業等の在り方を適切に見直すこと。
 アスベストによると想定される肺がん・中皮腫はその潜伏期間が極めて長期であることを踏まえ,現行の制度下で救済の対象とならない事例の労災認定の在り方について検討を行うとともに,現行制度では救済されない人たちの救済を図ることを主眼にした新法を早期に制定すること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣,国土交通大臣,環境大臣


耐震化促進のための施策の拡充を求める意見書

  (17年10月13日提出)

 先日パキスタンにおいて甚大な被害をもたらした大地震が起き,地震対策の重要性が国際的に高まっている。国内においては,昨年10月の新潟県中越地震,そして今年3月の福岡県西方沖地震など,最近大規模地震が発生し多大な被害をもたらしており,更に7月の千葉県北西部地震では首都圏の交通網・通信網のぜい弱さも露呈した。
 我が国では,大地震はいつ発生してもおかしくなく,その備えとして,防災対策のみならず,大地震発生時に被害を最小限に抑える「減災」への取組が求められており,そのための対策として,建築物の耐震化が有効であることが分かってきた。
 その観点から本年6月,国土交通省の「住宅・建築物の地震防災推進会議」がまとめた提言では,住宅や建築物のそれぞれについて,今後10年間で耐震化率を9割にまで引き上げることとする数値目標を設定し,達成に向けた促進策を提示している。
 よって国におかれては,「耐震化は時間との競争」と位置付け,地震による人的経済的被害を最小限に抑えるために,下記の項目を直ちに実施すべきである。

 
 国土交通省は今年度から,従来の耐震診断・耐震改修に対する補助制度を統合し用途を広げたほか,自治体が地域の実情に応じて耐震改修に活用できる地域住宅交付金制度を前国会で成立させた。これらの制度を全国に普及させるとともに,税額控除制度など税の優遇措置を創設すること。
 耐震性が不十分な密集市街地の住宅に耐震診断の指示を行うとともに,正当な理由もなく改修の指示に従わない場合は,その建築物を公表できるようにするべきであり,更に規模の大きな建築物については耐震診断や改修を義務付け,実施しない場合は改修命令を出せるよう,耐震改修促進法に関する制度の充実,強化を図ること。
 
 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,財務大臣,国土交通大臣


がん対策の推進強化を求める意見書 

 (17年10月13日提出) 

 がんは1981年以降,我が国の死亡原因の第1位を占め,現在では死亡原因の3割超にまで達している。そのため,政府においては「対がん10ヵ年総合戦略」を展開し,その第3次総合戦略が昨年度からスタートした。
 多くのがん患者・家族が,日本のがん医療に不満を持っており,自分の命を救ってくれる医師を探してさまよう患者の姿を例えて「がん難民」とさえ呼ばれているように,病院や地域によって治療成績に大きな格差があるなどの課題が指摘されている。そのため同戦略の中で,がん医療水準の「均てん化」(全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう,医療技術等の格差是正を図ること)が打ち出され,がんのり患率と死亡率の激減を目指している。
 がん医療水準の均てん化のみならず,がん専門医の育成,国民への適切な情報提供など,総合的ながん対策を強力に推進することが求められている。
 よって国におかれては,がん死亡率の激減を目指して,早急に下記の項目を実施するよう強く要望する。
 
 
 がん医療水準の均てん化を推進すること。特に,地域がん診療拠点病院を整備すること。
 がん治療専門医(特に化学療法,放射線療法の領域)を養成・確保すること。
 国民が利用しやすい「がん情報センター」,がん拠点病院等への「がん患者情報室」を設置すること。
 がん検診の強力な推進及び受診率の向上を図ること。
 センター方式による高度がん治療技術の開発と臨床応用に努めること。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


「リフォーム詐欺」から高齢者等を守るための対策強化を求める意見書

 (17年10月13日提出)

 認知症など判断能力の不十分な高齢者をねらって不要なリフォーム工事を契約させ,法外な代金を請求・だまし取る「リフォーム詐欺」が急増し,大きな社会問題になっている。こうした犯罪行為の横行を許さないため,あらゆる法律・制度を駆使し,関係機関が連携して,悪質業者を摘発することと,再発防止への早急な取組強化が求められている。
 そのため,政府は7月13日,関係6省庁課長会議において,当面の対応策となる緊急対策を決め,悪質業者に対する行政処分や取締りの強化,関係業界に再発防止策を求めるなど多岐にわたって対策を打ち出している。
 よって国におかれては,今後の課題として「リフォーム詐欺」から高齢者等を守るため,早急に下記の項目を実施するよう強く要望する。
 
 特定商取引法や消費者契約法,割賦販売法などを活用して被害者の早期救済を図るとともに,悪質リフォームを対象にした取締法規の制定を検討すること。
 成年後見制度の趣旨への理解を含めた周知徹底のための広報活動を強化するとともに,成年後見申立て時の費用や後見人への報酬を助成する成年後見制度利用支援事業を拡充・周知すること。
 建設業法上,軽微な建設工事(1件500万円未満)の請負については建設業の許可を必要としないため,同法を見直すこと。また,リフォームを含む建設工事の請負契約の締結に当たっては,書面の記載などの手続義務規定違反に対する罰則を設けること。
 建築士法により,建築士でなければできない設計又は工事監理が規定されているが,リフォームは多くの場合,建築士でなくても設計等を行うことができるため,同法を見直すこと。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,国家公安委員会委員長,総務大臣,法務大臣,厚生労働大臣,経済産業大臣,国土交通大臣


指定管理者の指定手続に関する決議

 (17年10月13日決議)

 京都市においては,平成16年3月に「京都市公の施設の指定管理者の指定の手続等に関する条例」を制定し,公の施設における経済性や効率性の追求のみならず,市民サービスの向上や行政責任の明確化などが進められてきた。しかし,この間行われてきた指定管理者の募集については,応募基準が高く,応募参加団体が少ない状況にあったり,指定を議決する議会に対して,市民への説明責任が負えるに十分な報告・説明がなされてきたとは言い難い状況にあった。平成17年11月議会では,今までで最も多くの指定管理者の指定議案の提案が予定されていることを考えると,このままの状況を看過することはできない。よって,指定管理者の指定を行うに当たって,多くの団体が候補となれるよう応募要件の緩和を図る,また,指定管理者の候補となる団体が決定され,議会に議案として提案される際には,所管局からの指定候補者の事業計画案や事業収支案などの報告と指定候補者の選定過程に関する説明など,更に開かれた指定管理者制度実現に向けた取組がなされるべきである。
 
 以上,決議する。

 

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