平成26年第1回定例会

最終更新日:平成26年3月25日

意見書・決議

おたふくかぜ,B型肝炎,ロタウイルスの3ワクチン定期接種化に関する意見書
(平成26年3月17日提出)

厚生科学審議会の感染症分科会予防接種部会において,一昨年5月に予防接種制度の見直し(第二次提言)がなされ,①子宮頸がん予防,②ヒブ,③小児用肺炎球菌,④水痘,⑤おたふくかぜ,⑥成人用肺炎球菌及び⑦B型肝炎の7ワクチンについて,医学的・科学的観点から広く接種を促進することが望ましいと明記された。
 しかしながら,昨年4月の予防接種法改正では,上記①〜③の3ワクチンのみが定期接種化されるにとどまり,衆議院及び参議院の厚生労働委員会においては,平成25年度末までに,残る上記④〜⑦の4ワクチンの定期接種化の結論を得るよう努めることとの附帯決議がなされている。これら4ワクチンのうち,今般,政府は,上記④及び⑥については予防接種法に基づく定期接種に加える方針を固め,本年秋から定期接種化が実施される見通しとなった。
 よって国におかれては,少子化対策のため,また,子どもたちを感染症から守るため,そして,総合的な医療費削減の観点からも,上記⑤及び⑦の2ワクチンに加え,ほぼ全ての乳幼児が感染するといわれるロタウイルスのワクチンも併せて定期接種化を実現されるよう強く求める。

 以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣

「ダンス規制法」(風営法)の改正を求める意見書
(平成26年3月17日提出)

「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(以下「風営法」という。)は,終戦直後の昭和23年に規制された当時の「売春防止」を目的とした規制の枠組みを引き継いで,「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し,及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する」ということから,現在もダンスを規制対象にしている。そのため,公共施設における社交ダンス教室でさえ,風営法の規制対象となるなど,様々なひずみが生じている現状である。
 現在,時代の流れとともに,ダンスを巡る状況は大きく変化し,社交ダンス以外にも多種多様なダンスが愛好されてきている。
 文部科学省は,平成24年度からダンスを中学校体育の必修としたが,その指導に当たっても,「ダンスとは古今東西老若男女が楽しむ身体活動」と位置付けて,「表現や踊りでの交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにする」とし,また,授業では「ロックやヒップホップなどのリズムの曲を組み合わせ」,「つい踊りだしたくなるような状況を作りましょう」と,指導計画の作成例に示してある。
 ダンスカルチャーは,世界的にも市民権を得ており,オリンピックの開会式でもディスクジョッキー(DJ)が登場している現況である。
 よって国におかれては,風営法のダンスを理由に規制している部分に関し,現代の社会背景に合わせて見直されるよう強く要望する。

  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
 衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,国家公安委員会委員長


「水銀に関する水俣条約」の早期発効と水銀含有廃棄物の国内適正処理体制の確立を求める意見書
(平成26年3月17日提出)

昨年10月10日,水銀及び水銀化合物の人為的な排出から,人の健康及び環境を保護することを目的とした「水銀に関する水俣条約」が,約140箇国の賛同を得て採択された。我が国は,水俣病と同様の健康被害や環境破壊を繰り返してはならないとの決意と,こうした問題に直面している国々の関係者が対策に取り組む意思を世界で共有していくという立場から,本条約を水俣条約と名付けることを提案し,全会一致で各国の賛同を得たものであり,今後,国際社会との緊密な連携と,国内における水銀対策の更なる強化が求められる。
 京都市においては,市民の安心・安全を守るため,家庭ごみの拠点回収制度の充実を通じて,水銀を含有する蛍光管,水銀体温計,水銀血圧計の分別回収等に取り組んできた。しかしながら,多くの地方自治体が水銀を含有する家庭ごみの全てを回収することは困難であり,水銀の適正な処理を確保するためには,製造・販売事業者も協力して回収する仕組みが不可欠である。
 よって国におかれては,「水銀に関する水俣条約」の早期発効に向け,国際的な働き掛けを強化するとともに,法整備をはじめとした,水銀含有廃棄物の適正処理を確保するための実効性の高い枠組みを早期に確立することを強く求める。


  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,外務大臣,環境大臣


過労死等防止のための法整備を求める意見書
(平成26年3月17日提出)

「過労死」が社会問題となり,「karoshi」が国際語となってから四半世紀が経つ。過労死等が労災であると認定される数は増えており,過労死撲滅の必要性が叫ばれているにもかかわらず,過労自殺も含む過労死等は増える一方である。本人の無念さに加え,突然大切な家族を失った遺族の経済的困難や精神的悲哀は筆舌に尽くし難いものがあり,また,真面目で誠実な労働者が過労死等で命を落としていくことは,我が国にとっても大きな損失である。
 労働基準法は,労働者に週40時間・1日8時間を超えて労働させてはならないと定め,労働者が過重な長時間労働を強いられるのを禁止し,労働者の生命と健康を保護することを目指している。しかし,当該規制が十分に機能していないのが現状である。
 昨今の雇用情勢の中,いくら労働条件が厳しくても,労働者が使用者にその改善を申し出ることは容易ではない。また,個別の企業が労働条件を改善したいと考えても,過熱する企業間競争とグローバル経済の中,自社だけを改善するには難しい面がある。
 このように過労死等防止対策については,個人や家族,個別企業の努力だけでは限界があるため,国が法律を定め,総合的な対策を積極的に行っていく必要がある。
 よって国におかれては,過労死等はあってはならないという基本理念に基づき,下記事項の確実な実行のため,労働基準法のより適切な運用や,新法制定などの法整備について取り組むよう要望する。



過労死等を無くすための,国・地方公共団体・事業主の責務を明確にすること。
過労死等防止基本計画を策定すること。
過労死等に関する調査研究の推進を始め,医療提供体制の整備,過労死等のおそれがある者及び親族等に対する支援,事業主の取組に対する支援等を基本計画の基本的施策とすること。


  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 (提出先)
   衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣

食の安全・安心を求める意見書
(平成26年3月17日提出)

昨年,大手ホテルや百貨店,老舗旅館等で,メニューの虚偽表示など,食品の不当表示事案が相次いだことから,政府は,昨年12月9日に,食品表示等問題関係府省庁等会議において,食品表示の適正化のため緊急に講じるべき必要な対策を取りまとめた。
 具体的には,農林水産省の食品表示Gメン等を活用した個別事案に対する厳正な措置や景品表示法のガイドラインの作成を通じた食品表示ルールの遵守徹底など,当面の対策が盛り込まれ,現在実施に移されている。また,このほか,事業者の表示管理体制や,国や都道府県による監視指導体制の強化などを柱とする抜本的な対策が明記され,これらの対策を法制化する景品表示法等改正案が国会に提出された。
 こうした対策が進む一方,昨年末に発生した国内製造の冷凍食品への農薬混入事件や毎年発生する飲食店や旅館,学校施設などにおける集団食中毒事件を受け,消費者からは,関係事業者等における食品製造や調理過程における安全管理や衛生管理体制の一層の強化を求める声が少なくない。
 よって国におかれては,こうした現状を踏まえ,下記の事項について適切な措置を講じ,食品に係る安全性の一層の確保に努めるよう強く要望する



食品表示等の適正化を図る景品表示法等改正案の早期成立・施行を期すこと。
本改正案等に基づく対策の推進に当たり,政府及び地方公共団体において,消費者庁を中心とした十分な体制を確立するとともに,そのための必要な予算措置を講じること。
一層の食の安全と安心を図るため,関係法令の改正も視野に,総合的かつ具体的な検討を行うとともに,関係事業者等の果たすべき責任を明確に定めること。

  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 (提出先)
   衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣,
   農林水産大臣,経済産業大臣,内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)


微粒子状物質(PM2.5)に係る総合的な対策の推進を求める意見書
(平成26年3月17日提出)

我が国では,大気汚染防止法や自動車NO・PM法による規制等により大気環境の保全に努めてきており,二酸化硫黄(SO₂),二酸化窒素(NO₂)などの濃度は,大きく改善してきている。
 一方で,微小粒子状物質(PM2.5)は,疫学的知見が少なく,曝露濃度と健康影響との間の一貫した関係が見出されていないことから,大きな課題となっている。
 また,平成25年1月以降,中国において,深刻なPM2.5による大気汚染が発生し,我が国でもその越境汚染による一時的な濃度の上昇が観測されたことにより,国民の不安が高まっており,PM2.5による大気汚染に関して,包括的に対応することが求められている。
 よって国におかれては,下記の項目について実施するよう強く要望する。



PM2.5の発生源の実態や構成成分の解明をしたうえで,法律に基づく国民に分かりやすい注意発令の仕組みを整備するとともに,現環境を維持することができるよう,国内外の発生抑制対策を推進すること。
国と地方自治体との連携を強化し,情報共有を図りながら,モニタリング体制の整備を推進すること。
PM2.5による肺機能や呼吸器系症状等への健康影響に関する調査研究を進めるとともに,研究結果に基づく指針等の見直しについては,速やかに実施することができる体制を整備すること。

  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 (提出先)
  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,外務大臣,環境大臣


2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた環境整備及び地域における取組への支援を求める意見書
(平成26年3月17日提出)

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は,更なるスポーツの振興や国際相互理解の促進のみならず,日本全体が活力を取り戻し,地域経済や地域社会の活性化につながる好機としても期待されている。
 よって国におかれては,国民の理解と協力の下,大会の成功に向けて環境整備を進め,地域での取組に対して支援する必要性があることから,下記の事項について実現するよう強く要望する



各国代表選手の事前合宿の誘致,観光プログラムの実施などを通じて,日本全国に東京大会開催の効果が波及するよう努めること。
共生社会の観点から,オリンピック・パラリンピック両大会の連携に配慮しつつ,パラリンピック選手の国際競技力向上を図るための専用トレーニングセンターを新設するとともに,スポーツを科学的に研究,支援する施設の地方拠点を設けること。
少子高齢社会にある我が国が,大会開催を契機にスポーツの持つ多様な効果を活用し,子どもから高齢者までが健康で生きがいの持てる社会を構築することができるよう,特に自治体が進めるスポーツを活用した「まちづくりや地域づくり」に対し支援を行うこと。
海外からの玄関口となる国際空港の機能拡充やアクセス強化に向けた交通インフラの整備,ハード・ソフト両面にわたるバリアフリー環境の促進など,大会終了後も想定した,我が国にとって真に必要な社会基盤整備を計画的に実施すること。


  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


(提出先)
  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,文部科学大臣


医療制度に関する意見書
(平成26年3月17日提出)

 我が国の国民皆保険制度は,所得の多寡にかかわらず,誰もが平等な医療を受けられる優れた制度である。政府においては,混合診療の解禁や株式会社の医療機関経営への参入等につながるような医療分野における制度改正が検討されている。とりわけ,保険外併用療養費制度について,場合によっては混合診療解禁の可能性があり,それにより収入の多い人ほど高レベルの医療が受けられることになるといったような,国民皆保険制度の形骸化を来すおそれがあり,国民のいのちを守るためにはこの制度を堅持する必要がある。
 また,国家戦略特区内における医学部新設は,地域医療の弱体化を引き起こすことも懸念される。
 さらに,医療機関の控除対象外消費税については,社会保険診療が非課税といいながらも,実質的には診療報酬に含まれているという問題を抜本的に改正すべきと考える。
 よって国におかれては,全ての国民のいのちを守り,国民が安心して良質な医療を平等に受けられるよう国民皆保険制度を維持することと,医学部新設及び控除対象外消費税の問題について十分な検証を行うことを要望する


  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,厚生労働大臣


防災・減災等に資する国土強靭化基本法に基づく自然災害対策の更なる推進を求める意見書
(平成26年3月17日提出)

 河川防災をはじめとする自然災害から国土・国民を守るため,昨年12月に,防災・減災等に資する国土強靱化基本法が成立した。
 本市においては,昨年,台風18号によって,桂川,鴨川,宇治川,更には西高瀬川,安祥寺川等が増水し,河川周辺では,床上・床下浸水や地下鉄東西線御陵駅の浸水等,大きな被害があった。
 よって国におかれては,市民のいのちとくらしの安心・安全を守るために,国土強靱化政策の推進による,早急かつ適切な対応を行うことを強く求める


  以上,地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)
  衆議院議長,参議院議長,内閣総理大臣,総務大臣,内閣府特命担当大臣(防災)


焼却灰溶融施設の損害賠償の請求に関する決議
(平成26年3月17日提出)

 京都市会は,平成25年12月11日,「住友重機械工業株式会社においては,本市からの契約解除を直ちに受け入れ,本市に対して一切の負担を掛けないよう真摯に対処すると確約した自らの責務を誠実に履行し,企業倫理や企業責任に基づいて,市民の負担が生じることのないよう,損害賠償等の請求に速やかに応じるべきである。」と決議した。
 その後も再三にわたって,京都市から損害賠償等の請求に応じるよう求めてきたにもかかわらず,これに応じることなく,司法の場に持ち込まざるを得なくなったことは極めて遺憾である。
 よって住友重機械工業株式会社においては,本件の一刻も早い解決を図るため,京都市からの損害賠償等の請求に対し,誠意をもって応じるべきである


  以上,決議する。


市立浴場に関する決議
(平成26年3月17日提出)

 京都市会は,これまで市立浴場の在り方について指摘してきた。しかしながら,京都市からの補助額は,年々減少してきたものの,平成26年度予算においても4億5,000万円に上っている。
 この度,市立浴場を指定管理者制度に基づいて管理・運営してきた財団法人京都市立浴場運営財団が,平成26年度末で,京都市及び財団関係者の決断において解散することが明らかとなった。
 平成27年度以降の市立浴場の運営に当たっては,議会と十分な協議を行うとともに,下記の点を十分に踏まえたうえで進めていくことを求める



市立浴場の位置付けを明確にし,過去の同和行政とは一線を画した運営形態とすること。
平成27年度以降,浴場存続の間は,指定管理者制度等の活用により,適正かつ効率的な業務運営が図られるよう万全を期すこと。
各地域における市営住宅の建て替え及び浴室設置等の計画と事業を加速させるとともに,可能なところから市立浴場の廃止をしていくこと。


  以上,決議する。


ラグビーワールドカップ日本大会公式戦招致実現のための取組充実を求める決議
(平成26年3月17日提出)

ラグビーワールドカップは,世界中の200を超える国と地域において,約40億人が視聴し,チケット販売枚数も160万枚が見込まれる,オリンピック,FIFAワールドカップに次ぐ世界大会である。
 今般,市長は,京都府ラグビーフットボール協会会長と合意し,ラグビーワールドカップ2019大会の公式試合を,西京極総合運動公園に招致される方針を固め,議会でも表明された。
 ラグビーワールドカップ2019の翌年には東京オリンピック・パラリンピック,その翌年の2021年には関西ワールドマスターズゲームズ2021と,世界的スポーツイベントが3年連続日本で開催される。
 その先陣を切るラグビーワールドカップ2019公式試合開催が,ここ京都の西京極で実現すれば,市民が身近に世界トップレベルのスポーツに触れ合う機会であることはもちろん,国内外から多くの選手,家族及び観光客が京都に集い,京都の魅力を全世界に発信し,京都の都市格を更に高めると同時に,京都から日本を盛り上げる,正に千載一遇のビッグチャンスとなる。
 元々,京都は,ラグビーとゆかりの深い土地である。下鴨神社の糺の森には,関西ラグビー発祥の地である「第一蹴の地」の石碑があり,これまでからトップレベルの多くの指導者及び選手を輩出している。
 一方,京都市においては,市民の財産として,将来にわたり市民スポーツの振興に寄与することができる西京極陸上競技場兼球技場の大型映像装置,管理諸室・トイレ,照明設備,メインスタンドの屋根等の大規模改修を,府市協調により計画的に改修されようとしていたところであり,これらにより,ラグビーワールドカップの施設基準についても,クリアすることができるとのことである。
 よって京都市においては,ラグビーワールドカップ2019の公式試合招致実現に向け,全庁体制で取り組むことはもとより,京都府ラグビーフットボール協会をはじめ,関係団体との緊密な連携の下,市民の機運を高め,その応援も頂きながら,取組を推進していくことを強く求めるとともに,市会としても,招致実現に向け,全力で支援していくこととする


  以上,決議する。