平成29年定例会(平成30年2月市会)

最終更新日:平成30年3月20日

採択請願

骨髄移植等により抗体を喪失した小児へのワクチン再接種の費用助成制度の創設[受理番号48]

(平成30年3月20日採択)

 

近年,医療関係者の御努力と共に,医療技術も大きく進展している。小児白血病における治療成果も骨髄移植を実施することにより効果も上がってきている。しかしながら,国で定められた定期接種を受け,抗体を獲得した後に発症し,骨髄移植を受けた場合,獲得した抗体が全て失われ,再接種をしなければならない。この再接種については,国の予防接種法には何ら規定がなく,そのため救済措置もなく,費用助成については各自治体の判断次第とされている。私たち患者を抱える家族と共に患者本人にとっても長期にわたる入院治療は大変つらいものがあり,なおかつ,経過観察のための度重なる未保険の自費検査や合併症の対策費用等が必要であり,付添いのために収入面に影響する例もまれではなく,保護者にとって経済的にも精神的にも大変大きな負担となっている。一度失った抗体を再接種するには全て自費診療となり,全てを接種し直すとなると総額20万円は必要となる。
 移植治療後において感染症にり患することは健常者とは異なり,より重篤な症状に陥る可能性が高く,ワクチンを接種し直すことは絶対に欠かすことができない。医師の診断の下,経済的負担を考慮することなく,接種できることを強く望んでいる。
 現在,名古屋市や新潟市をはじめとした政令市や市町村では,独自にワクチン再接種における全額助成制度を創設する自治体が増えてきている。
 ついては,本来は国の予防接種法において措置すべきものと考えるが,現状を鑑みたとき,子育て環境日本一を目指す京都市として,病気と闘っている小児患者と家族に寄り添い,国に先駆けて,骨髄移植等による治療のために抗体を失った小児へのワクチン再接種について費用の全額助成制度の創設を強く願う。