摘録


最終更新日:平成30年3月27日

平成31年3月20日

報告案件


<天皇陛下御即位三十年に対する賀詞の奉呈>

 まず報告事項の前に,天皇陛下御即位の三十年に対する賀詞の奉呈について申し上げます。この度,京都市会として,天皇陛下御即位三十年に対する祝意を示そうと,会派間で協議を行ないまして,本日,賀詞を奉呈いたしました。内容といたしましては,「賀詞,天皇陛下におかせられましては,御即位三十年をお迎えになられましたことは,慶賀にたえないところであります。ここに京都市会は,京都市民を代表して,天皇皇后両陛下のますますの御健勝をお祈りするとともに,謹んでお祝いを申し上げます。」ということで,決定しました。
 それでは,2月市会につきまして報告をさせていただきます。

<2月市会の議案審議結果>

 私からの報告の一点目は,本日終了しました平成30年定例会平成31年2月市会の審議結果についてであります。
 2月市会につきましては,2月19日から3月20日までの30日間の会期で開催いたしました。
 お手元の2月市会審議結果総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「平成31年度京都市一般会計予算」など計165件ございました。
 市会では,本会議で市長,副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や各常任委員会において,十分な議論を行ったうえで,全165件を可決いたしました。
 また,議員提案である市会議案といたしましては,意見書については2件を可決,2件を否決し,決議については1件を否決いたしました。
 その他,請願1件について不採択といたしました。
 なお,2月25日と26日には26名の議員が代表質疑を行い,3月12日と13日の予算特別委員会総括質疑では,延べ49名の議員が質疑を行いました。
 今市会では,10月に課税が始まった宿泊税の使い道など,門川市長3期目の総仕上げとなる平成31年度予算のほか,地域企業の持続的発展の推進に係る条例など,市政全般にわたり,代表質疑や委員会を通して,市長らと活発に議論を交わしました。
 今任期の議員による議論はこれで区切りということにはなりますが,京都市会として,今後も引き続き,常任委員会等をとおして,議論を深めてまいりたいと考えております。
 2月市会における議案審議結果は以上でございます。

<市会史の発行>

 次に,本日発行の運びとなりました『京都市会史』についてであります。
 京都市会は,初めての市会を明治22年に開会しており,来る6月14日に,130周年を迎えることとなります。
 この長い歴史を持つ京都市会のあゆみに関する資料として,これまでに,明治22年から昭和32年までの出来事を収録した『京都市会史』を昭和34年に発行し,昭和33年から昭和62年までの出来事を収録した『京都市会史続編』を平成元年に発行しました。
 それから,約30年の間に地方分権が進み,御承知のとおり,多くの権限が国から地方へ移譲されたことなどにより,二元代表制の一翼を担う地方議会の役割や責任は,より一層重要なものとなりました。
 これを受けて,京都市会においても,全ての議員が課題を共有し,議論を交わしながら市会の機能の強化はもとより,「見える市会,伝わる市会」の実現に向け,様々な取組を行ってきました。
 この30年間の記録を一冊の資料として後世に残し,これまでの議会活動の検証,そして,これからの議会活動の更なる活性化に資することを目的として,平成29年度から新たな市会史の編さんを進め,この度,『京都市会史-京都市会のあゆみと各種資料-(昭和63年1月~平成30年3月)』を発行いたしました。タイトルにもありますとおり,前回発行した『京都市会史続編』に続く,おおむね昭和63年から平成29年度末までの30年間を収録の対象としています。
 新たな京都市会史の特徴としましては,京都市会独自の取組に焦点を当て詳細に記録していること,また,前回,前々回と同様の構成とせず,市政の分野ごとの記述を取り止め,執筆について外部への委託を行わず,京都市会として,議員と事務局において編さんを行ったことがあげられます。
 現在,市会に関する情報発信は,市会の会議のインターネット中継,録画放映,会議録の公開など,30年前に比べると格段に充実しています。こうした時代の変化を踏まえ,今回は市会に関する事柄をできる限り網羅した基本的な資料とし,市会史を御覧いただいた皆さまが興味や関心をお持ちいただける事柄について,皆さまそれぞれが,会議録や録画放映等で御確認いただくことを想定いたしました。
 記者会見資料の裏面を御覧ください。内容といたしましては,「市会のあゆみ編」「資料編」「市会だより編」の三編から構成しています。
 「市会のあゆみ編」については,議会機能の強化,開かれた市会の推進,社会情勢に応じた制度の見直しの3つのテーマに沿って市会の取組を整理し,記述するとともに,市会改革推進委員会の開催状況を掲載しました。
 「資料編」については,継続性を重視し,前回発行した『京都市会史続編』と同様の各種資料を掲載しました。
 「市会だより編」については,平成9年に創刊した『京都市会だより』の創刊号から第92号までの抜粋を掲載しました。
 冊子については,市会図書・情報室において,3月22日(金曜日)から御覧いただけます。また,京都市各図書館においても,4月1日(月曜日)から御覧いただけます。
 さらに,この記者会見終了後に,市会ホームページに全文を掲載し,図書館へ行かずとも手軽に御覧いただけるようにいたします。
 私からの報告は以上であります。

質疑応答

<発表案件に関する質疑>

記者
 京都市会史についてですが,特にこういうところを見てほしい,というところがあれば教えてください。

議長
 特徴といたしましては,先ほど触れましたように,前回,前々回は外部の有識者に,どちらかというと京都市政の方を掘り下げて書いていただきましたが,今回は,この30年間,議会の目から見たことを特に意識して書かせていただきました。そういった意味では議会の機能の強化や,記者会見もそうですし,様々な形で市民の皆さんにお伝えする機会を増やしてきたということを書かせていただきました。
 また,30年前,60年前と比べて,格段に情報の量が多くなってきています。今はインターネット等で情報を公開していますし,収集できますから,この市会史を見ていただいたりして,興味を持って更に調べていただきたい。これまでは,市会史で完結していたのですが,今回の市会史はそうではなくて,これを通して京都市会に興味を持っていただたりとか,より知っていただけるようなきっかけになったりしてほしいという思いで作成させていただきました。
 前々回は資料がないので分からないですけど,前回の市会史と比べると,掛かった費用も10分の1以下で,極力経費を抑えながら作らせてもらいました。


記者
 タイミング的には,統一地方選の前ということですが,例えば,議員活動に興味を持ってもらうという視点や,もっと選挙に興味を持ってほしい等の思いはありますか。

議長
 タイミング的には統一地方選挙前や,偶然ですが平成の元号変わりと同じ時期になったりもしていますが,あまりそこは意識していません。第1回目も,第2回目も大体30年周期で作っていることもありまして,前回がちょうど市会が100年の記念に発行されていますので,130周年を迎える時が,ひとつの節目になろうかということでスタートしました。

記者
 編さん委員会を作ったのではなくて,議員皆さんの意見を取り入れて作ったということでしょうか。

議長
 全議員というか個々の意見や考え方みたいなものが入ってしまいますと,また色々となりますので,まずはあった事実をしっかり書いていこうということで,市会改革であったりとか,そういったものを事務局で押さえていただきました。その上で,例えば,私は市会改革委員長をしていましたし,その当時の知っている事もありますので,今の職員さんでは知らないような事も書き加えさせていただいたり,当時の関わった議員の意見も言っていただきました。最初の自転車の条例であれば,公明党が中心にされてましたから,その思いを入れながらとか,編さんしていく中で議員と意見交換をしながら,議員と事務局が協力し合って作っていきました。


発表案件以外に関する質疑

記者
 統一地方選が近づいてきていまして,地方議会の役割はかなり変化してきていると思うんですが,一方で地方議会の存在感が示せていないというところもあるかと思います。今,地方議会の課題,また選挙の時に有権者にどういうところを見てほしいと思いますか。

議長
 私たちは基礎自治体ですから,生活に密着しています。日々市民の皆様方のお声をお聞きして,お考えをダイレクトに聞いてる議員がしっかりと議会で議論して,行政の提案について侃々諤々の議論をして,より良いまちへ,という形でやっているのですけど,その姿がなかなか映らなかったりとか,あるいは発信しても興味がない分野はなかなか受けとめてもらえなかったりという部分もあります。そういった意味では,選挙は,興味を持っていただくひとつの機会であります。この4年間や,今までの活動を議員が丁寧に話をすると思いますし,有権者の皆さんには,そういうところは是非見てほしいなと思います。ここにいる記者の皆様は発信力をお持ちですから,伝えていただきたいと思います。

記者
 歴史のある京都市会ですが,18歳等の若い人たちが投票されます。議会として,議員として,どういう形で関心を持ってもらうか,政治に関心を持ってもらうかということを,どのようにしたらいいのか等,議長として,または個人のお考えでいいので,お聞かせください。

議長
 いわゆるこうしたらいいという王道はないと思っています。色々なことやらなくてはいけないと思っていますが,今一番,議会の色々な議論の過程で発していきたいこととして,政令都市の中で最も古いといわれている京都市会の議場を,子ども達に見てもらうという形で議場見学会というのを進めてきたことです。子ども議会も良いのですが,どうしても時間がかかったりするので,より多くの子ども達に来てもらおうと思うと,議場見学です。まさに議場に入っていただくだけで子ども達に,場の力を実感してもらえるのではないかなと思っています。
 つい先日,ある小学校から作文を頂きまして,やっぱり実際に来て,議場を見学したことであるとか,席に座ったことであるとか,子ども達も本当に感じていてくれるんだなと実感しました。中には,将来議員になりたいとか,議長になりたいとかいう子どももいましたし,あるいは自分はそうなろうとは思わないけども,選挙はしっかり行かないといけないと思ったとかの言葉を頂戴しました。
 これをしたら良いというのはないと思いますが,こういうことを地道にやっていくことが,将来を担う子ども達に知っていただく,あるいはそういう経験をした人が増えてくることで,若者独自の発信力であったり交流等で,「僕は,私は,小学校の頃,京都市会に行ったよ。」ということで,選挙の関心を高めてもらえたらいいなと思います。今,一例を申し上げましたけれども,そういったことを,若い人達が感じるようなことをしていきたいと思っています。


記者
 親子議場見学会はかなり古くから,やっているんですか。

議長
 親子議場見学会は,昔から年1回させていただいておりました。親と子どもが一緒に議場を見学するという,良い機会でして,年1回ずっと議場でさせていただいておりました。これとは別で,本会議場は年間で,実際30日間位しか使いませんので,使わない期間の使い道として,市会改革の中で議論されまして,こちらの負担にもならず,来られる方もあまり手間にならない形で,できることをやっていこうという中で,教育委員会と連携しまして,子ども議場見学をやらせていただいており,ここ近年増えてきています。この4年間でいいましたら,1~2校程度だったのが,29年度が15校,30年度が29校ということでだいぶ増えてきています。
 さらに,去年は市民の方への一般公開もさせていただき,1000人以上の方に来ていただました。これは,京都市会で初めての取組で,やはり,議場に足を運んでもらう,そしてまた議員の席に座っていただいて肌で感じてもらうということはすごく大事なことだと思います。


議長
 せっかくの機会ですので,我々の任期も含めて話していきたいと思います。この間,様々な取組をさせていただいて,議員が選ぶ京都市会10大ニュースというのがあるんですけれども,その中でも初めての取組というのが結構あります。市会史もそうですし,今言いました議場の一般公開もそうです。また,国際交流という意味では台南の議会と初めて交流協定を結んだり,この間,様々に動いてきました。これは議員も当然のこと,市会事務局にも今までにない中で一生懸命取り組んでいただきました。議場の移転,その準備もありますので,業務がかなり集中していたんですけれども,本当にお世話になりました。マスコミの皆様方にも,様々な形で市会の広報の話をさせていただき,様々な形で発信しました。
 4年間でいうと,通年議会で,年間通じて議会を開いていくとか,委員会で年間テーマを設けて議論したり,専門的知見の活用として,委員会に,医師会の方等,専門的な方々にお越しいただいたりして,お話を聞く機会ですとか,市会改革や議論をしてきました。基本条例を作ったのみならず,中身を充実してきたのが,この4年間の中心的な部分なのかなと思っています。
 この4年間,多くの皆さん方の御協力でできたことを次につなげられるように,我々としても精進していかなければならないなと思っています。

副議長
 私は副議長になりまして,10箇月が経ちました。この間,寺田議長に支えていただきまして,初めての経験でしたけれども,副議長という立場で,議長とともに,多くの式典や表彰式等に参加させていただきました。そこで感じたのは,京都には奥深さと魅力と多くの人材がいらっしゃるということです。これは,行政区内で地域を歩き回ることとはまた違う意味で,京都の素晴らしさを勉強も実感もさせていただいたと思っています。京都の持つ魅力をしっかりと発信していかないといけないと,改めて思いましたし,また議会としても,議長がずっとやってこられましたけれども,市民に伝えていく,我々の立場から伝えていくことが必要だと思います。
 一方では,民泊,宿泊税やインバウンド等,身近な話題もございますし,議員は,その両面をしっかりと捉えながらやっていかなければならないなということを感じました。
 もう少し任期もございますので,しっかりと公務を全うしたいと思っております。ありがとうございました。


議長
 本格的な議論は今日まで,ということですが,湯浅副議長からもありましたとおり,任期といたしましては,4月29日までです。ほぼ平成の終わりまで全うしたいと思いますので,御協力をお願いしたいと思います。ありがとうございました。