摘録

最終更新日:平成29年3月31日

平成29年3月24日

報告案件

議長
 お忙しい中お集まりいただきまして,ありがとうございます。私の方からまず2点御報告させていただきます。

<2月市会の議案審議結果>

 まず,一点目でございますが,本日終了いたしました平成29年2月市会の審議結果についてでございます。
 2月市会におきましては,2月22日から3月24日までの31日間の会期で開催いたしました。
 お手元の2月市会審議結果総括表を御覧ください。
 市長から提出されました議案は,「平成29年度京都市一般会計予算」など86件ございました。
 市会では,本会議で市長・副市長から提案説明を聞いた後,予算特別委員会や各常任委員会において十分な議論を行い,2件の議案については修正を行ったうえで可決し,残りの議案については原案のとおり84件を可決いたしました。
 修正可決した2議案は,今年度も引き続き削減した議員報酬を平成28年度一般会計補正予算の財源として活用し,社会福祉事業基金の取崩し額を減額したものでございます。
 その上で,8件の付帯決議を付すことといたしました。
 また,議員提出議案である市会議案といたしましては,来年度も引き続き議員報酬を10%削減する条例及び,「子ども若者はぐくみ局」の設置や常任委員会の所管の変更及び常任委員会の名称の変更に伴う京都市会委員会条例の改正を提案し,全会一致で可決いたしました。
 また,意見書については4件を可決,3件を否決し,決議については1件を否決いたしました。
 また,その他にも,請願5件について審査し,2件を採択,3件を不採択といたしました。
 なお,2月28日,3月1日には16名の議員が代表質疑を行い,3月14日,15日には予算特別委員会市長総括質疑において45名の議員が質疑を行っております。
 今市会では,平成29年度予算の審査を中心に,市政全般にわたり,代表質疑や委員会をとおして,市長らと活発に議論を交わしました。今会期後も引き続き,常任委員会をとおして,議論を深めてまいりたいと考えております。
 2月市会における議案審議結果については以上でございます。


<政務活動費に係る運用基準の見直し>

 次に,政務活動費に係る運用基準の見直しについてであります。
 初めに,見直しの経過について簡単に申し上げます。
 政務活動費については,平成26年度交付分に係る住民監査請求に関し,昨年9月5日付けで京都市監査委員から,市会議長,私に対し,運用の更なる改善の推進を求める意見が示されました。
 これを踏まえ,この度,京都市会といたしまして,運用基準の見直しを行うこととしたものでございます。
 次に,見直しの概要について御説明をさせていただきます。
 見直しのポイントは2つあり,第1には,政務活動費の使途の透明性の向上を図ること,そして第2には,制度の適正な運用の徹底を図ることでございます。
 第1のポイントの「使途の透明性の向上」につきましては,お手元の資料の1⑴のとおり,5項目の改正を行いました。特に,人件費及び事務所費について,新たに「日々の記録」を作成するとともに,それを根拠に「説明書」を作成し,公開することによって,市民の皆様に対して説明を大幅に拡充するものとしております。加えて,広報広聴費等で印刷物の添付の義務付けや出張記録書の記載事項の充実などにより,市民の皆様の理解を得やすいものにしております。
 第2のポイントの「制度の適正な運用の徹底」につきましては,お手元の資料の1⑵のとおり,4項目の改正を行いました。これらは,給与や旅費の基準となる考え方を明らかにするなど,これまでの基準をより明確なものに改め,その厳正かつ公正な運用を徹底することにより,政務活動費の支出の適正化を,より一層進めるものでございます。
 以上,今回の運用基準の見直しにおいては,合わせて9項目の改正を行いました。
 なお,見直しの実施時期につきましては,来年度分の平成29年度交付分の政務活動費から適用することといたしております。
 以上が概要でございます。

 最後に,見直しに関する私の所感を申し上げます。
 まず,大前提といたしまして議員は,市民が選挙によって選ぶ市民の代表であり,権利であります。
 したがって,市民の代表として行政機関をチェックし,あるいは市民の福祉の向上につながる提言をするものであります。
 政務活動費は,その活動を結ぶためのものであると思っております。
 また,政務活動費は地方分権が進む中において地方議会が果たすべき役割の重要性が増し,その真価が問われている中において,特に政令市を含む大都市部においてはその及ぶ権限の範囲も広く,議員や会派の活動にとって必要不可欠なものとなっております。
 議会の審議能力の一層の強化や活性化,ひいては市民の皆様の福祉の増進のために有効かつ積極的に活用すべきものと認識いたしております。
 しかしながら,政務活動費については不適正な使用が他都市等においてたびたび報道され,そのことが市民の皆様の注目を集めていることがあるなど,残念な状況にあると思っております。
 市民の皆様の御懸念を払拭するためには,使途の透明性の向上を図ることは何よりも重要なことであり,かつ不適正な事案の発生抑制にもなると考えております。
 このような中,本市会においては,昨年8月から領収書等のインターネット公開を実施するなど,これまでからも透明性の向上に向けた取組を行い,制度の改善に努めてまいりました。
 そして,その取組をさらに推し進めるものとして,今回,支出の根拠として「日々の記録」を作成し,それに基づく「説明書」を公開するといった仕組みを制度化したことは,全国にも例を見ない先進的な取組であり,これらにより,格段と透明性の向上が図られることになると思っております。
 今後,制度の見直しにより説明責任を果たすため,議員及び会派の負担は増大することになりますが,市民の皆様に信頼と安心を持っていただけるものと確信いたしております。
 引き続き,市民の皆様の福祉の増進のために,政務活動費を有効かつ積極的に活用するとともに,併せて,政務活動費の使途が,市民の皆様に,より一層御理解いただけるものとなるように,しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 私からは以上でございます。

質疑応答

<発表案件に関する質疑>


記者
 今回の見直しが透明性の向上にどう結びついているとお考えか。

議長
 今も御説明させていただいたとおり,これまでからも特に事務所費,あるいは事務員の給与については見えづらいこともございました。また監査からのそういった指摘もあったため,これを日々の活動をつけることで,しっかりと見えるものにしていきたいと思っています。
 また,透明性の向上について色々な方々から見ていただくことで,我々自身もう一度自分たちの政務活動費について考え直すこともできると思いますし,市民の皆様にも分かりやすい物になると感じております。

記者
 資料の別紙1,2,3の様式で各議員が日報を作成すると考えてよいか。

議長
 基本的には,そういう形になろうかと思っております。
 例えばたくさん書かなければいけない部分の幅を少々広く取ることもあるかと思いますが,基本的にはこの形で提出していただくことになると考えております。

記者
 他都市の議会にはない基準はあるのか。

議長
 日々の活動を報告することは,他都市ではまだされていないと考えています。
 事務所,事務職員の日々の活動の記録をしっかりと示すことで我々議員が事務所等でどういった活動をしているかが明確になると思っているが,そういったものは他都市にはないとお聞きしております。

記者
 政務活動費の支給を,使った分を後から払う方法にすれば,各議員が厳しく運用するのではという思いもあるが,そういった議論はあったのか?

議長
 後払いという考え方についても,当然議論はございました。
 京都市会としては,人件費および事務所費に関する日々の記録や,それに基づく説明書を作成することなどで透明性の向上を図る取組を着実に行うことがまず大切だと考えております。
 一方,後払い,事後精算方式を導入すべきとの意見があることも承知いたしていますが,現在,京都市会では前払い方式による使い切りといったような弊害は生じていないと考えております。
 それから,完全後払い方式を導入した京丹後市や導入を決定した城陽市,綾部市とは,都市の規模や議会の権限の範囲,議員の専業化の程度であるとか,また政務活動費の交付額など物価等も含め前提条件がずいぶんと異なっていると思っております。
 この中で今回の見直しでは,具体的な検討は見送ることにさせていただきました。
 今後はすでに同方式を採用している都市における状況や,他都市の情報にも注視しながら,もし必要であれば,そういったことも調査して研究すべきと考えております。
 そういった発言も中にはあったことも事実であります。

記者
 運用基準の見直しは,最終的にどういう権限でいつ誰がどう決定したのか。

議長
 まずどのような場で決まった,協議されてきたかお答えします。
 平成29年度交付分から見直しの実施を目指しましたので,具体的な内容を迅速に取りまとめる必要があり,各会派の代表者からなる検討会議を組織し,そこで検討していただきました。
 そして,6回の協議をおこない,無所属議員を含めた全議員の合意のうえで決定いたしました。
 決定としては,本日になると思いますが,運用は29年度支給分からになります。
 ただ,報告は1年後になりますので,その間にしっかりと我々議員の方も初めてのことですので,しっかりと進めていきたいと思っております。

記者
 日々の記録の作成・提出となっているが,この日報は情報公開請求をすれば見られるのか。

議長
 そうです。基本的には,情報公開請求で見られるということになると思いますし,私,議長の方に提出をするということになっております。

記者
 日報は年度終わりにまとめて提出するのか。

議長
 運用の方法については,まだ若干詰める必要があるかもしれませんが,年度末,一度にということになると少し無理もあるかと思いますので,3カ月ごとにまとめるなど,そういうことも含め,進めていければと思っております。もちろん日々の日報ですので,日々きちっとつけておれば問題ないんですが,不備があった場合にどこまでさかのぼって訂正できるかということもありますので,考えながら進めたいと思っております。

記者
 日報なども政務活動費の支出調書等の公開と併せて公開されるのか。

議長
 日報については,提出はしていただきますが,公開対象ではありません。

記者
 積み残した課題や議論が必要な点は,これから先どういう場でどう議論していくか決まっていることはあるのか。

議長
 今回,監査から御指摘をいただいたことは,いくつかありますが例えば補助職員の給与の支出をわかりやすくすることや,旅費のこと等々いくつかございますけれども,これについては運用基準の的確な運用の徹底を私の方から文書にて各議員にお願いする形を取りたいと思っております。
 そういった形で,監査から御指摘があった部分については一応の目途をつけて,しっかりと取り組んでいると考えております。
 また,その後にもし指摘があれば,その対応についてしっかりと協議をしていかなければならないと思っておりますが,今の時点では課題について一定の答えを出せたと考えております。


発表案件以外に関する質疑

記者
 議長に就任され2年になるが,議長を2年されたからこそできたことなどはあるか。

議長
 1年目は,新たな会派構成であるとか新たな議員がたくさん入った中で,私も初めてのことが大変多い中で,ずいぶんとまどうこともたくさんあったと感じております。
 その中で1年間,副議長あるいは事務局にもサポートいただきながら少しずつ慣れてきたこともあり,2年目は,少しは落ち着いて色々なことに取り組んでこれたと思っておりますし,その間も文化庁の京都移転等,様々なことがありました。あるいは,子ども若者はぐくみ局の設置もまた大きなことでございますので,そういった議論をしっかり深められたのではないかと感じております。
 そして,こういった様々なことが,これから芽を出していくんだと思っておりますし,その土台を作ることに幾ばくか力を出せたのではないかと自負しております。